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□シュレーダー前政権 イラク戦争、強硬に反対も裏で情報提供 [産経新聞]
http://www.sankei.co.jp/news/morning/13int001.htm
シュレーダー前政権 イラク戦争、強硬に反対も裏で情報提供
米に協力?独政界大揺れ
【ベルリン=黒沢潤】イラク戦争に強硬に反対し、米国と対立したドイツのシュレーダー前政権が、独連邦情報局(BND)要員をバグダッドに開戦前から駐在させ、フセイン旧政権の首都防衛計画をひそかに入手して米軍に提供するなど、実際は裏で米国に協力していたとされる疑惑が独政界を揺さぶっている。独連邦議会(下院)の野党三党は近く、調査委員会を発足させ、真相究明に乗り出す構えだ。
この疑惑は、米紙ニューヨーク・タイムズが二月末、「コブラII」と呼ばれる米軍の機密資料をもとに報じたもので、二人のBND要員が開戦直前の二〇〇三年二月、首都防衛に関する情報を作戦図とともに入手し、カタールの米中央軍司令部にいた別のBND要員を通じて米軍側に提供したとされる。三人はこの功績により、米軍側から勲章を授けられたという。
この防衛計画はもともと、フセイン元大統領が〇二年十二月十八日、同国幹部を招集した特別会議の際に明らかにしたもので、イラクの陸軍と共和国防衛隊がバグダッドを四重に取り巻いて守り、米軍の進攻を食い止めるという重要な計画だった。
独政府はこれまで、米軍による攻撃開始後もBND要員を現地に残す決断をしたことは認めたものの、米軍側に知らせたのは主に病院や大使館、モスクなど攻撃対象以外の場所だとして、「米軍への支援」は否定してきた。
シュレーダー前首相はイラク戦争反対を唱え、〇二年九月の総選挙にまでそれを利用し、小差で勝利を収めた。今回浮上した疑惑がBNDレベルにとどまりシュレーダー前首相が関与していない可能性もあるが、前首相が仮に事実を把握していた場合には、国民から「二枚舌」と批判されかねない。
こうした状況の中、野党三党(自由民主党、90年連合・緑の党、左派党)は十日、「政府の説明は不十分」だとして、十七日にも調査委員会を設置することで一致した。
調査委は、シュレーダー前政権が〇二年秋、キューバの米海軍グアンタナモ基地の収容所にドイツの治安要員を秘密裏に派遣し、拘束中のトルコ国籍の男性を尋問したことが適当かどうかも調査する。また、米中央情報局(CIA)の航空機が〇一年−〇五年にかけて、ドイツ上空を七百回以上も飛行した目的を調査するなど、前政権と米国との協力関係を徹底的に洗い直す方針だ。
一連の調査は、メルケル政権が進める対米関係の修復に少なからぬ影響を与えそうだ。