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アスカリ聖廟爆破は米軍の怠慢が原因? イラクの政治学者が疑問提出 [アルジャジーラ]
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投稿者 white 日時 2006 年 3 月 10 日 16:41:14: QYBiAyr6jr5Ac
 

□アスカリ聖廟爆破は米軍の怠慢が原因? イラクの政治学者が疑問提出 [アルジャジーラ]

 http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1765359/detail

アスカリ聖廟爆破は米軍の怠慢が原因? イラクの政治学者が疑問提出

 【アルジャジーラ特約10日】イラクは今、2月22日にイスラム教シーア派の聖地サマラにあるアスカリ聖廟が武装集団に爆破されて以来、シーア派とスンニ派との「宗教対立」が激化、市民らの間に多くの犠牲者が出ている。

 この危機的状態について、米国の大学で講師を務めるイラク人政治学者ライス・サウド氏は「内戦説」はとらないとしながらも、「米国軍のイラク進駐は何の役にも立っていないことがはっきりした」と指弾、駐留米軍およびその庇護を受けるイラク現政権の無能さが、今回の危機的状況を招いた元凶であると主張。サウド氏はそれだけでなく、本来、最大の警備状態に置かれるべき聖廟が爆破されたことに疑問を投げ、背景に何らかの政治的意図があったのではないかとも指摘している。

 以下に、今回のアスカリ聖廟爆破事件、それに続くイスラム教宗派内の対立激化などに対するライス・サウド氏の分析、意見を紹介する。なお、同氏の見解はアルジャジーラの立場、主張とは関係はない。

 政治学者として、個人的にはイラクの現状を「内戦」に突入する瀬戸際にあるとは分析していない。だが、明らかなのは、今回のアスカリ聖廟爆破により、治安対策における米軍の「無能さ」あるいは「やる気のなさ」が白日の下にさらされたことだ。

 米軍そしてその庇護を受けるイラク現政権が、もしこの国に平和を確立し、宗派間の対立を防ごうと本気で取り組んでいるとするならば、その目的達成のために、米国と現政権は一体何をしているのか、と聞きたくなる。

 イラクのこれまでの状況を詳しく見れば分かるように、もし内戦を引き起こそうとするならば、それが可能なのは米軍および現政権だけであり、これまで何世紀にもわって平和のうちに暮らしてきたシーア、スンニ両派では決してあり得ない。

 その上で、今回のアスカリ聖廟爆破事件を検証してみよう。

 聖地サマラに入る場所は限定されており、それも厳しく警戒されていたはずだ。爆破規模から考えると、相当量の爆薬が持ち込まれたと推定される。警戒の厳しいはずの中、それほどの量の爆薬が発見されることもなく、どのようにして運び込まれたのだろうか。

 まして、聖廟の象徴である黄金のドームを破壊するほどの爆薬がどのように持ち込まれ、怪しまれることもなく、仕掛けられたのだろうか。しかも犯人たちはいとも簡単に現場から逃げおおせたのだ。これらを考え合わせると、イラクの重要警戒箇所における警備体制が意図的に無視されていたか、あるいは意図的に放置されていたとしか考えられない。

 決して不可能とは言わないまでも、今回の爆破技術をみると、道路わきに爆弾を仕掛けられる程度の技術しかない地元抵抗勢力による犯行とは考えられない。

 バグダッド市内の米軍およびイラク政権の中枢部が置かれた「グリーンゾーン」の警戒度は高く、度重なる攻撃を受けても、何とか安全性を維持している。それに対し博物館や歴史的遺跡などの警備体制は貧弱で、重要なイスラム寺院までもが攻撃の対象とされてきた。  

 こうした現状を考えると、3年間及ぶイラク駐留で米軍はほとんど何も学ばず、貴重な文化遺産などを守れないその姿勢はほとんど「陰謀」と呼んでもいいほどなのだ。

 ブッシュ米政権がこの現状をどうしようもないとするなら、それはペテンにも等しい「犯罪」である。また、意図的に現状を引き起こしているとするなら、分かっていて手を下さない卑劣な行為=犯罪であり、国際法に照らしても「有罪」である。いずれの場合でも、犠牲を払うのはイラク国民であることを忘れてはならない。

 ではなぜ、ブッシュ政権はイラクの治安維持の中核として米軍を駐留させているのだろうか。ブッシュ大統領は「イラクに治安を回復するまで、米軍部隊を駐留させる」と繰り返した発言している。米軍部隊が治安維持機能を果たしているのだろうか。

 米軍進駐により、イラクでは今、暴力が一般国民の間にまで広がり、駐留が長引けば、その分、暴力も拡大している。同軍部隊とイラク現政権の存在が事態の悪化をもたらしているといわざるを得ない状況だ。

 今回の聖廟爆破事件で米側は、事件をイラク人ではない外国人武装勢力の犯行、あるいは旧バース党関係者の仕業と即座に断定するとともに、イスラム内に暴力がはびこる間、米軍はイラクに駐留すると表明した。

 ところが、イラクの一般国民たちの間には全く違った見方、受け取り方が出ている。即ち、そうした爆破事件を起こすのはイスラエルか米軍で、その意図はイラク国民の間に対立を続けさせるためだと言うのだ。

 現状で、聖廟爆破がだれの仕業かは断定できないが、それによってもたらされる内戦に絡む問題を検討してみたい。

 イラクの抵抗勢力は常々、国内にある宗教遺跡、聖地および一般国民は攻撃対象とはしないと表明している。混乱が深まれば、それだけ外国軍のイラク駐留が長期化しかねず、また、宗派間の対立激化は外国軍による占領阻止という目的にとり大きな障害になるからだ。

 しかし、一方ではこうした公式声明を信用せず、同勢力が一連の攻撃を実行しているとの見方もある。米軍侵攻の瞬間から、米国の建国の歴史がそうであったように、イラクにも宗派間対立の芽が出ていた。

 イラク占領にかかわった米国人は一人の例外もなく、占領開始のその日からイラクを「シーア派」「スンニ派」そして「クルド人」という言葉で縛り、対応を続けてきた。これに疑問を持つ米国人はだれ一人としていなかった。その点で、米政権などが(米軍の占領状況と酷似している)レバノン侵攻(1975−2005年)でシリアを非難したことは興味深い。

 中東地域の専門家たちが「米軍はイラクでシリアと同じ事をしている」と主張すれば、それは敵を利する陰謀だと片付けられてしまう。人道主義をうたう西側のメディアにも反アラブ・イスラムという2重基準がはびこり、客観報道が阻止されている。

 最も大きな問題は米国民が、イラクの現実と全くかい離したイラク戦争に組み込まれていることだ。同国民がこの戦争に”加担”する間、戦争は終わらず、暴力は続く。

 イラク国民は内戦などを好んでいない。イラクは歴史的に統合を維持し、開放さを誇ってきた。イラク国民の神経を逆なでする、このアスカリ聖廟爆破という”大胆不敵”さは、内戦が不可能なイラクにそれを引き起こそうとする絶望にもにた哀れな行為の表れだ。

 爆破直後の数日間は状況が緊迫したが、暴力は散発的なものに収まっっている。イラク国内で紛争をさらに拡大させる社会的な動きは見られない。その逆に、イスラム教の指導者たちはイラク統一を呼び掛け、合同祈祷を行っている。

 こうしたイスラム指導者たちはこの3年間、政治の場で中立性を保ち、その一方、米軍の庇護を受けている者たちはイラク統一の確保に失敗を続けている。米国およびイラク現政権が今後、イラク統一にどのような方策をとるのかが注目される。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)


2006年03月10日13時38分

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