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http://www.geocities.jp/riverbendblog/ から転載。
Baghdad Burning
バグダードバーニング by リバーベンド
... I'll meet you 'round the bend my friend, where hearts can heal and souls can mend...
友よ、私の心が失われあなたさえ見分けることができなくなったら、どうか私を偉大な文明をはぐくんだ、チグリス・ユーフラテスの胸元に連れて行って欲しい。そこで私は心を癒し、魂を再生させるでしょう。
2006年3月6日月曜日
さあ、オスカーの受賞者は・・・
再びオスカーの季節がやってきた。この一カ月ほど、私たちはオスカーのプロパガンダに砲撃されている。 MBCとOne TV(アラブ首長国連邦のチャンネル)は1月からオスカーをライブ中継すると約束している。ここ1週間のインタビューというインタビュー、プログラムというプログラム――バーバラ・ウォルターズ、オプラ、インサイド・エディション、エンターティンメント・トゥナイト―は、何かしらオスカーに関連しているようで、オスカーにノミネートされた人やらその分析やらが絶え間なくつづく。
さて、候補者を見てきて――毎年同じ顔ぶれだけど――私はイラク人にも授賞式が必要だという結論に達した。 ハリウッドのスターたちはけっこうなエンタテイナーだけど、イラクのスーパースター、ハキム、ジャファリ、タラバニ、アラウィなどなどは、“すばらしい”エンタテイナーだ。この一年のあいだ、我らが政治的指導者は、いくつかのドラマを繰り広げて私たちを釘づけにしてきた!
なので、バーバラ・ウォルターズとオプラー・ウィンフリーに負けない、バグダードバーニング・オスカースペシャルをお届けしよう!! ただし、私たちの授賞式をよりイラク的で親しみやすくするために、オスカーの小さな彫像の名をちょっと変えることを提案しよう。 (オスカーという発音はアラブ語で酔っぱらうという「Iskar」にとても近いので、「オスカー」というと、“敬虔な”サドル私兵に授賞式を乗っ取られる恐れがあるので、「サイード」賞というのはいかがでしょうか!)[訳注:サイードは一般に男性に対する敬称]
それではみなさま、2006年サイード賞にノミネートされた方々をここにお届けしましょう!
最優秀男優賞候補:
“正統”イラク政府の無宗派、無党派の首相という役柄に挑戦した、「イラク自由選挙」のイブラヒム・アル・ジャファリ。
本編「イラクの自由作戦:大量破壊兵器」、「イラクの自由作戦:イラクの解放」に続く三番目の作品「イラクの自由作戦:テロとの戦争」のジョージ W. ブッシュ。ブッシュは世界初の精神的欠陥のある大統領を説得力ある演技でみせ、ノミネーションされました。
一連の拷問ハウスのスキャンダルで、ショックを受け、怒れるイラク内務大臣を国際級の演技でみせた、「拷問ハウス」のバヤーン・バーキル・スラフ。
イランにいるご主人様から自立しているふりをしている、敬虔なムッラー、「メン・イン・ブラック(ターバン)」のアブドゥル・アジズ・アル・ハキム。
見せしめにされた親米協力派が突如として反戦争・反占領に変わる、注目すべき演技の、スンニ派政治家、「移り気」のムフサン・アブドゥル・ハミード。
最優秀主演女優賞候補:
イランの原子力開発計画(イラクにおけるイランの支配にもかかわらず)を止める振りをする悪の国務長官、「ビバ、イラン!」のコンディ・ライス。
最優秀助演男優賞候補:
新しいイラクの “正統”な指導者を演じようとした彼の挑戦に。「カカ・プレジデント」('カカ'はクルド語で「兄弟」)のジャラル・タラバニ(彼は実際にこの映画のスターですが、この一年は首相がうまく彼の人気をさらってしまったので、彼を最優秀“助演”男優賞候補に選びました)。
忠実で、頭のいかれた副大統領という役柄とイラクではすべてがうまく運んでいるという彼の執拗な主張に、「イラクの自由作戦:テロとの戦争」のディック・チェイニー。
すべての災いからイランを守り、スンニ派とシーア派に相互に寛容であれと働きかけるのに熱心な(彼のサドル軍団がスンニ派と世俗主義者に対する破壊と攻撃の実行犯であるにもかかわらず)、若くて、カリスマ的で、黒いターバンを巻いた武装集団の精神的指導者、「ビバ、イラン!」のムクタダ・アル・サドル。
ホワイトハウスの記者会見で報告を読み上げるあいだ、真面目な顔を保つ能力でよく知られる、「イラクの自由作戦:テロとの戦争」と「否定」のスコット・マクレラン。
特殊効果部門候補:
今年のイラクの政治シーンから堂々と蒸発した、「消滅ショー」のアフマド・アル・チャラビ。チャラビさんは、目くらましのかなりのマスターであり、「ペトラ銀行スキャンダル」でのヨルダンからの蒸発で、昨年もノミネートされています。
最優秀製作部門:
「イラクの自由作戦:テロとの戦争」(原題「父の戦争」):ラムズフェルド、ウォルフォウィッツ他、ワシントンネオコン製作。
「イラク自由選挙」:アブドル・アジズ・アル・ハキムおよび彼の大軍勢(文字通り)の支持者たち(バドル軍団員)製作(および演出)。
最優秀作品賞:
「イラクの自由作戦:テロとの戦争」:主演―― ジョージ W. ブッシュ、ディック・チェイニー、コンディ・ライスほか。目が離せないドラマの舞台はイラク。「G(だまされやすい人)」指定および「R(共和党員)」指定映画。[訳注:ふつう、G 指定 は「一般向け映画」、R指定は「成人向け映画」。ここでのGはGullibilityを、RはRepublicanを指している]
「イラク自由選挙」:主演――アブドル・アジズ・アル・ハキム、イブラハム・アル・ジャファリ、ムクタダ・アル・サドル。外国の占領下での自由投票という無茶な論理のブラックコメディ。「やらせ裁判」:主演――サダム・フセイン、バラザン・ハッセン、様々な裁判官、検察官、および弁護士。
特別賞:
まず最初の特別賞はブッシュのスピーチ・ライターへ。演説するジョージ・W・ブッシュが偉大な人物ではないし、善良な人物でもないという印象を与え、なおかつなんとか“及第”という演説原稿を書くのは、世界一難しい仕事に違いない。また、最大2音節だけの単語を使用しスピーチを書くのは、困難でもやりがいがあることは疑いない。次にスンニ過激派とワッハーブ派の支援に対しサウジアラビア人へ、シーア過激派の支援に対しイラン人へ、そして混乱の維持に対しアメリカ人へも特別賞を。
そして、われらがグリーンゾーンのセレブが偉大な勝利を祝うために駐屯基地へ引き揚げると、イラク人は、次にどんなすばらしい映画が用意されているのか知りたがる。大ヒット作が製作中であるとの噂でもちきりだ――今年の最も期待される心理スリラー「イラクの内戦」が試写寸前まで完成しているという噂で。
午前2時50分 リバー
(翻訳:金克美)
Baghdad Burning の原文(英文)
http://www.riverbendblog.blogspot.com/