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以下引用
泥沼化しているイラク情勢の影でほとんど報道されていないが、米・ブッシュ政権にとってはアフガニスタンも見通しが暗くなっている。それを端的に示しているのが現地米軍の戦死者数で、2002年と03年がそれぞれ48人、04年が52人だったものが、昨年は2倍近い99人まで跳ね上がっている。NATOをはじめとした連合軍側も同様で、04年の6人から30人と急増した。
アフガニスタンの現カルザイ政権打倒を目指すタリバンが1月2日に発表した数字では、「昨年後半の6カ月で355人の外国兵を倒し、6機のヘリコプターを撃墜した」としている。米軍側のそれと大きく食い違っているが、同勢力と現地のアルカイダが昨年からより強固となり、新たに攻勢へ転じているのは米軍も認めている。
米『USAトゥデー』紙も、「(04年は)戦闘はそれほどひんぱんではなく、起きても空爆が始まると終息したが、状況は変化した」として、同国南部の山岳地帯で作戦を展開している米特殊部隊・デザートイーグルの指揮官などの証言からその実態を伝えている。
【武装勢力がより効果的に作戦を展開するようになり、より広範な地域に出没するようになったのはまぎれもない事実だ】【彼らはすばやく反応し、並はずれて意志が強固で最後まで闘う。……しかも、高度に組織化されるようになった】(Afghanistan insurgents 'extremely resolute and fought to the last man')
また、アフガニスタン戦線で昨年から見られる変化として、(1)道路でのIED(即席爆発装置)設置や自爆攻撃など、これまで見られなかった攻撃パターンの導入 (2)携帯用地対空ミサイルや高度な通信機器を始めとした装備の向上 (3)中東や北アフリカ、中央アジアからのイスラム原理主義勢力の増大――といった点も指摘されている。これらの結果、アフガニスタン南部を中心にタリバンがじわじわと支配地域を拡大する一方で、英国をはじめとするNATO諸国軍は疲労の色を増している。
こうしたタリバン・アルカイダの攻勢の背景としてさらに見逃せないのは、イラク武装勢力と、スリランカの反政府ゲリラ「タミル解放の虎」(LTTE)との連携だ。特にアルカイダは、アフガニスタンで産出されるヘロインを売却して得たドルでLTTEから高度な武器を購入している。さらに前述の(1)に関しても、イラク武装勢力から直接伝授されているという。
その結果【ドラッグマネーとLTTEのネットワークによって、アフガニスタン武装勢力は充分な武装と外国からの義勇軍を得て新たな水準に達するまで立場を強化した】(“Armed and dangerous: Taliban gear”)という評価が生まれている。
現地では、このままではやがて首都カブールまで再び戦火が及び始めるのではという懸念まで生まれているが、米英両軍にとってはイラクとアフガニスタン両国の戦局が完全に泥沼化し、抜け出せなくなっているのが実態だ。遅かれ早かれ、ブッシュ政権が2001年の「9・11事件」以降に「対テロ」という名目で開始した戦争は、今年大きな曲がり角に立たされるだろう。
(成澤宗男)
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成澤宗男の「世界を読む」
引用ここまで URL http://www.janjan.jp/column/0601/0601258230/1.php
コメント 仮に、米軍当局側の発言を完全に真実だと受け取ったとしても、アフガン米軍が窮地に立たされつつあるのは間違いないようです。