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□戦争の消耗品になりたくない 黒人の若者に軍隊離れ [ベリタ通信]
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1748295/detail
戦争の消耗品になりたくない 黒人の若者に軍隊離れ
伝統的に軍隊に志願する比率が高いといわれたアフリカ系米国人(黒人)だが、その数が近年、大幅に減少しているという。最大の理由はイラク戦争の影響だ。2005年に陸軍に志願した黒人の数は、1973年に徴兵制から志願制に変わって以来、最大の落ち込みを記録した。このため白人やヒスパニック(中南米系)の比率が逆に増える結果になっている。イラク戦争は混迷を深めており、戦場から無事帰還できる保証はない。ある黒人高校生は、ブッシュ大統領の間違った戦争の消耗品になるのはいやだ、などと話している。(ベリタ通信=苅田保)
陸軍に志願するのは、多くが高校卒の若者。軍の採用担当者は毎年、高校卒業見込みの者に対して活発なリクルート活動を展開している。しかし、高校の現場では、黒人高校生の軍隊への関心が薄れている。
米紙プレス・エンタープライズによると、米陸軍の2005年の新兵募集定員は8万人だったが、7000人の欠員が出た。このうち落ち込みが特に目立ったのが黒人層。
黒人層の減少の度合いをみるのが、陸軍の新兵採用者に占める人種別の構成比だ。黒人は01年は23%に達していたが、05年は14%に減少した。ちなみに白人は05年で67%、ヒスパニックは黒人に次ぐ13%を占めている。
米軍は2003年3月に対イラク戦争を開始。当初は圧倒的な戦力差から、短期間で終結するシナリオをブッシュ政権上層部は考えていた。しかし、抵抗勢力が予想外の粘り強さを発揮し、米軍の死傷者が急増。最近は宗派間の抗争の激化で、駐留米軍の撤退スケジュールにも赤信号が灯っている。
こうした戦争の激化が、軍隊に入ろうとする若者や、その家族にブレーキをかけるのは避けられない。全米で若者の間で軍への入隊を敬遠する傾向が出ているが、人種的にその傾向が強く目立つのが黒人層というわけだ。
黒人の平等を求めた公民権指導者キング牧師(黒人)は、ベトナム戦争に反対したことで知られる。ベトナム戦争に従軍したものは、貧困層が多かったといわれる。当時、黒人層も多くが前線に送られた。
イラク戦争の混迷ぶりが、新聞・テレビやインターネットで伝えられる中で、キング牧師の教えを受けた黒人の若者たちの中で、戦争への疑問も芽生え始めているようだ。
マーカス・コットン君(男性)とモニク・コットンさん(女性)は、共に17歳の双子の高校生。いずれも軍隊に行く考えはなく、進学する予定という。
マーカス君は「われわれは何の理由もなく戦っている。そのために自分の命を危険に晒したくない。ブッシュ大統領は大量破壊兵器を見つけると言ったが、何も見つからなかった」
ブッシュ大統領がイラク戦争で不手際をしたとの見方は、黒人の若者の間で広がっているようだ。また軍隊に応募したら、出口の見えないイラク戦争で将棋の駒のように扱われるとの不安も強い。
米カリフォルニア州リバーサイドの高校生(17)は「(軍隊に)入ることはまったく考えていない。自分は若いので、教育を受け、自分の人生を生きていきたい」と話している。
2006年03月03日00時05分