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東京大空襲の遺族ら国を提訴 損害賠償、謝罪求め
2006年03月04日22時55分
約10万人が一夜のうちに死亡したとされる1945年3月の東京大空襲の遺族や被災者がつくる「東京空襲犠牲者遺族会」(石鍋健会長)が今年8月にも、国を相手取って、損害賠償と公式謝罪を求めて集団訴訟を起こす。100人を超える遺族、被災者が原告団への参加を希望している。東京大空襲の戦災者らによる集団提訴は初めて。
同会は、昨年8月から集団提訴に向けた準備を進め、同会主催の4日の集会で提訴の方針を報告した。すでに10人の弁護士が弁護団への参加を決めており、遺族・被災者計40人余が当時の被害状況などを書いた陳述書を寄せている。
空襲の遺族・被災者ら民間戦災者は、戦傷病者戦没者遺族等援護法が適用される旧軍人・軍属やその遺族と異なって、補償が行われていない。同会は、訴訟で東京大空襲の被害を改めて明らかにしたうえで、差別的取り扱いを放置した国の立法不作為の違法性などを問う考えだ。
空襲の被災者が国を訴えた過去の事例では、名古屋空襲の戦傷病者2人が損害賠償を求めた訴訟があるが、87年、最高裁が「戦争犠牲ないし戦争損害は国の存亡にかかわる非常事態のもとでは、国民のひとしく受忍しなければならなかったところ」と指摘し、請求を退けている。
同会は、この最高裁判決の「戦争受忍論」の問題点や克服の方法を検討するため、今後、弁護士や法学者とともに、戦後50年を前に相次いで提起された数々の戦争責任裁判で積み上げられた法理論や、民間人への補償を定めた諸外国の事例を研究するという。
同会の星野ひろし事務局長は「軍と民、戦場も内地もないと教育された。集団で訴えることで、戦後も続いた空襲の遺族や被災者の苦しみとその重さを示したい」と語った。中山武敏弁護士は「87年判決以降、旧軍人・軍属への手当はさらに拡充され、民間戦災者との格差が広がっている。一方で法理論は発展し、当時とは状況が変わっている」と話した。
http://www.asahi.com/national/update/0304/TKY200603040246.html