★阿修羅♪ > 戦争79 > 1150.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
(回答先: 米国の内部報告書、南部諸州でも治安が深刻化|イラク情勢ニュース 投稿者 white 日時 2006 年 4 月 11 日 17:56:17)
□米国の調査はイラクの不穏情勢を深刻に描く/ニューヨーク・タイムズ|イラク情勢ニュース
http://www.freeml.com/message/organizer-news@freeml.com/0001199;jsessionid=gsevnn6vl3
2006/04/11(火)
[飛耳長目録 today'snewslist]
☆米国の調査はイラクの不穏情勢を深刻に描く
☆日米英豪、具体的な撤退開始日程に踏み込めず
--------------------------------------------------------------------
☆★米国の調査はイラクの不穏情勢を深刻に描く
U.S.StudyPaintsSomberPortraitofIraqiDiscord
ニューヨーク・タイムズ 2006年4月9日
--------------------------------------------------------------------
http://www.nytimes.com/2006/04/09/world/middleeast/09report.html
ワシントン発、4月8日:
バグダッドに駐在する米大使館および米軍司令部の内部報告書は、イラク
の政治・経済・治安情勢についての州ごとの深刻な寸描をまとめている。全
18州のうち6州の治安状態が「深刻」とされ、1つの州では「危機的」と
される。この報告書(の内容)は、米国の政治家と軍幹部のトップたちによ
る最近の楽天的な公式見解とは対照的である。
『州ごとの安定度評価』と題して要点をまとめた10頁の報告書は、フセ
イン打倒後3年間にイラク戦争の性質が変化したことを強調する。・・・
バグダッドで再建事業を担当する米国大使ダニエル・スペクハードは次の
ように述べた−−この種のものとしては最初となる今回の報告書は、バグダ
ッド駐在の文民および軍の合同チームによって6週間かけてまとめられた。
彼らは自分たちが各州に派遣されたときに再建チームが新たに直面するであ
ろう状況についての基本評価を提供したいと考えた。
スペクハードによると、執筆陣は米国大使館の政治部門、再建事業の関係
機関、バグダッド中流米軍司令部の高官たちで編成された。著者はまた各州
駐在の国務省幹部からも情報を受け取ったという。
報告書は国務省が議会に提出するイラク定期報告の一部をなすもので、再
建チームの予算立案に参加する者を含めてキャピトル・ヒルの当局者にも提
示された。広報担当者の説明では、米国政府の首脳陣ではどの範囲の者がこ
れを見たか明らかではなく、国防総省や国家安全保障委員会では広く回覧さ
れたことはない。・・・発行日付は2006年1月31日となっている。
・・・ (略)
4月8日、ハリルザド氏(駐イラク米国大使)と駐イラク米軍司令官ジョ
ージ・W・ケーシー大将は、この3年間で達成した政治・治安目標の幾つか
を賞賛する声明を発表したが、「多くの進展にもかかわらず、多くの仕事も
残っている」と警告もした。
再建担当大使スペクハード氏は、レポートはその評価が示唆しているほど
深刻ではないと述べた。・・・
しかしこの報告書における各省ごとの要約は、驚くほど憂鬱(ゆううつ)
なニュースを提供している。この報告書では安定度を測る尺度は行政統治、
安全確保、経済問題で測られている。例えば、石油の豊富なバスラ州は、イ
ギリス軍がパトロールし、この3年間のほとんどが比較的平穏だったが、現
在は「深刻」と評価されている。
報告書は「深刻」という状態を、「行政統治機構が完全には編成されてい
ないか、住民の必要とする行政サービスを提供できていず、経済発展の面で
は高い失業率で停滞しており、治安情勢は武力事件、暗殺、過激な行為が日
常のこととなっている」と定義している。
ここ数ヶ月、シーア派の反乱勢力によると思われる攻撃によって、バスラ
におけるイギリス兵の死亡件数は増えている。「地方の治安部隊に浸透して
いる者を含めて民兵の旺盛な活動」が存在していると報告書は書いている。
「密輸と犯罪行為がずっと減らないでいる。脅迫と暗殺はありふれたことと
なっている」。
報告書は、長期にイラクの最貧地の1つだったバスラ地方の経済発展は、
「弱体な統治によって妨げられている」と書いた。
バスラ市はシーア派の宗教指導者とみられる行政・治安当局を擁して、広
い範囲でミニ神聖国家に移行したものとして描かれ、アルコール禁止を強制
され、女性にはヘッド・スカーフが強制されていると報告されている。警察
の車両と検問所は、しばしば、反抗的な聖職者ムクタダ・アッ・サドルか親
イランの政党に所属する聖職者アブドル・アジズ・アル・ハキムのポスター
やステッカーが貼られる。両者は、ともに、恐るべき民兵である。
ハキム氏の政党は南部9州のうち8州の評議会を支配しており、バグダッ
ドの評議会も同じである。
この報告書に添えられた色刷りの地図では、西部砂漠に帯状に広がりスン
ニ派アラブ人ゲリラの心臓部であるアンバル州が、「危機的」として赤く塗
られている。「深刻」に分類された6州(バスラ州、バグダッド州、ディヤ
ラ州と北部の3州)はオレンジ色である。「まあまあ」とされた8州は黄色
で、クルドの3州が「安定」として緑色に塗られている。
「危機的」という治安評価は、報告書によると、州には「機能している行
政統治機構がない」か、「1人の強い指導者によって代表されている」だけ
という意味である; 「発展にむけた社会基盤もしくは行政指導を有する経
済は、明らかに不安定につながっている; そして「治安状況ではイラク軍
に反抗する活発な活動と暗殺、過激派のマークが付けられた」。
もっとも驚くべき評価は、たぶん、南部9州の評価であり、そのうち1州
として「安定」と評価された州はない。ブッシュ政府はしばしばこれら地域
では暴力事件は比較的に乏しいと強調している。
例えば、報告書はシーア派の宗教勢力の心臓部にある2州、ナジャフとカ
ルバラを「まあまあ」と評価しており、イランの政治的影響力が増大してい
ることを指摘している。ナジャフでは「イランが注目の州政府に影響力を持
っている」と報告書に書かれてある。ナジャフ州の知事と前知事はどちらも
1980年代前半にイランで創設されたハキム氏の宗教政党の幹部である。
報告書はまた、以前に衝突したことのあるサドル氏とハキム氏の私兵(=民
兵)に言及して、「マフディ軍とバドル旅団の間の緊張が増大しており、そ
れはだんだん広がるだろう」と注目している。
そのすぐ北にあるバビル州はバグダッドにも隣接する重要な戦略的要地で
あり、「評議会内にも明らかにイランの強い影響」があると報告書が指摘す
る。「バビル州北部には民族間の衝突」があり、「犯罪は州の重要問題とな
っている」。加えて、「失業率は高いままである」。
戦争の全期間を通して、米軍司令官はスンニ派アラブ人ゲリラを抱えるバ
ビル州北部の平定を何度も試みたが、ほとんど成功しなかった。バビル州南
部では、ナジャフとカルバラのようなシーア派民兵が新たな脅威となってお
り、彼らはシーア派の拠点からやってきて、互いの競合が促されつつある。
バビル州8000人の警察の責任者カイス・アル・マアモニ警視は、配下
の幹部たちはやがて起こるかもしれない民兵同士の争いにまだ干渉する用意
ができてないと語った。彼はインタビューのなかで、「彼らは怖がって中に
割って入ることができない」と述べた。もしアメリカ軍がバビル州からいな
くなると、「翌日には内戦になるだろう」。
※訳者コメント: 報告書がそうなっているのか、ニューヨーク・タイム
ズの報道がそうなのかは不明だが、宗派主義者の暴力や高失業率と経済の停
滞、基本的な行政サービス(電気、水道など)の欠如などが、まさに米国の
占領体制のもとで作りさだれたという明確な評価が見当たらない。この点が
明らかでないと、「だから米国の支援が必要」と都合のよい口実に利用され
る恐れもあるが、とはいえ、米国の思惑通りに事態がすすんでいるという状
況でないことも明白である。
自衛隊撤退開始の遅れも、撤退しないのか、撤退できなくなったのか、見
極めが重要になりつつある。
--------------------------------------------------------------------
☆★日米英豪、具体的な撤退開始日程に踏み込めず
--------------------------------------------------------------------
▼自衛隊のサマワ撤収、9月以降にずれこみも…麻生外相
読売新聞 4月10日
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060410i404.htm
麻生外相は9日のNHK報道番組で、イラク南部サマワで活動している陸
上自衛隊の撤収を判断する時期について、「イラクの政権、治安部隊が正式
にいつできるかにかかっている。ここが読めないのが一番の悩みだ。今年9
月までにできるかできないか、何とも言えない」と述べ、9月の小泉首相退
陣後にずれ込む可能性を示唆した。
外相は「(自衛隊派遣を決めた当時は)ここまで治安が悪化するというイ
メージを持っている人はいなかった。(治安が)予想より悪化したのは事実
だ」とも語った。
▼イラク情勢:日米英豪が意見交換 ロンドン
毎日新聞 4月11日
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20060411k0000e030023000c.html
【ロンドン小松浩】日米英豪の4カ国は10日、ロンドンで外務・防衛当
局者の会合を開き、イラク情勢について意見交換した。日本側はイラク南部
サマワに駐留する陸上自衛隊の撤退時期について、サマワの治安維持を担う
英豪両軍の意向を踏まえ決定する考えだが、イラク情勢が極めて不安定なこ
とから、この日の協議では具体的な撤退開始日程などには踏み込まなかっ
た。4カ国はイラク新政府発足のめどが立つのを見極めながら、引き続き撤
退時期について協議していく方針だ。