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在日米軍再編と沖縄(下)―「山形新聞」
http://www.asyura2.com/0601/war79/msg/1077.html
投稿者 天木ファン 日時 2006 年 4 月 08 日 23:09:15: 2nLReFHhGZ7P6
 

マルチアングル・在日米軍再編と沖縄(下)

 「慶良間諸島を占領した米軍は、1日午前8時半から沖縄本島中部の読谷山村から北谷村の海岸に一斉に上陸を開始、日米両軍による沖縄戦が本格的に始まった。米軍は上陸部隊だけで18万3000人。太平洋戦線で最大規模の兵員を投入した…」。この記事は沖縄の琉球新報社が発行した「沖縄戦新聞」第7号の前文。日付は1945(昭和20)年4月1日。

 琉球新報社は戦後60年報道の一環として「沖縄戦新聞」を企画。当時の状況をいまの情報、視点で紙面構成し「サイパン陥落」から「日本守備軍が降伏」まで全部で14号発行、この特集新聞で同社は2005年度の新聞協会賞を受賞した。

 沖縄戦最後の激戦地となった糸満市の摩文仁の丘に立った。「平和の礎(いしじ)」には戦没者など国内外約24万人の名を刻む。県民の4人に1人が犠牲になった。礎の端に、まだ名の刻まれない碑が4面ある。今年も追加刻銘されるのだろうか。45年6月23日、沖縄戦の組織的戦闘が終わった。そして米軍の駐留、軍用地の収用、本土返還、基地整備の本格化と60年の重い歴史を刻んできた。

 那覇市で開かれた「在日米軍再編を考える」シンポジウム。基調講演した我部政明・琉球大学教授は、こう問題提起した。
「沖縄の声がなぜ伝わらないかという問題は単純でなく、根が深い。沖縄の問題は今も『ジャパン・プロブレム(日本全体の問題)』になっていない。グローバル化の波の中、それぞれの地方は生き残りに必死で、他の地方に関心が持てない状況があるのかもしれない」。

 続いて講演したケビン・メア在日米国大使館安全保障部長は、米軍再編について「日米同盟の能力・抑止力向上と基地周辺住民の負担を軽減することが目標だ」と述べ、普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部移設は「安全、騒音問題、環境への影響の極小化を考えた結果だ」と強調した。

 基調講演を受けてのパネルディスカッションでは、沖縄の側からの切実な声が聞かれた。比嘉良彦・沖縄県政策参与は、米軍再編が有事を前提に語られていることについて「有事は来るかどうか分からないが、沖縄は基地の存在によって日常的に住民の生活が脅かされている。意識の差を感じる」と発言。

 高里鈴代・元那覇市議は、メア部長の説明に「部長はバードアイ・ビューポイント(鳥の目線)から地域安保を説いたが、沖縄の人々はヒューマンアイ・ビューポイント(人間の目線)から考えている。基地のある場所に生きている人間が排除されているように感じる」と、それぞれ違和感を訴えた。

 基地とともに生活する沖縄の人々。移設の対象となっている普天間飛行場(宜野湾市)を南側の小高い丘から眺めた。面積480ヘクタール。市全体の約26%を占有する。北東に延びる2800メートルの滑走路。沖縄で唯一の米海兵隊専用の航空ヘリ基地。周囲は学校や住宅地、商店街が密集する。2004年8月13日、隣接する沖縄国際大学構内に米軍のCH53大型輸送ヘリが墜落し炎上、乗員3人が重軽傷を負った。大学の隣にはガソリンスタンド、アパートなどぎっちり立ち並ぶ。これが、基地と隣り合わせで生活する沖縄の現実なのだ。

 難航していた普天間飛行場移設問題は、7日夜、額賀福志郎防衛庁長官と名護市の島袋吉和市長の会談で合意をみた。しかし、キャンプ・シュワブ沿岸部に滑走路をV字形に2本建設するという苦渋の折衷案であり、今後、反対が根強い地元住民さらには沖縄県をどう説得するのか。また、沖合埋め立てによるジュゴン保護など環境問題もある。クリアすべき課題は多く、行方が注目される。

 沖縄の問題を日本全体の問題にするには、どうすればいいのか。きちんと現実を直視することから探っていきたい。


http://yamagata-np.jp/kiji/200604/08/news04506.html

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