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露大統領 戦略産業の国営化推進 航空機メーカー統合
【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン政権が、これまで進めてきたエネルギー分野だけでなく、航空機製造など他の産業分野での国営企業設立へ動き出した。プーチン大統領は二十一日、新たな国営企業「統一航空機製造会社」の設立を命じる大統領令に署名した。ロシア政府が管理する主要輸出品の石油・天然ガスの価格高騰で得られた膨大な資金を、有望な産業分野へ先行投資し、国家主導で有力企業を育成することで、大国ロシアの復興につなげる狙いがある。
ソ連崩壊以来、国家主導で統一された航空機メーカーが誕生するのは初めて。新会社は、ロシアの戦闘機メーカーのミグやスホイ、旅客機メーカーのイリューシン、ツポレフ、ヤコブレフ、イルクートの六社を統合する。大統領府によると、政府が少なくとも70%以上の株式を保有する。本社はモスクワに置き、年間売上高二十五億ドル(約三千億円)、世界シェア(市場占有率)10%を目指す。二〇一三年には年間百二十機の旅客機のほか、広範囲な軍用機の生産も視野に入れる。
統一した航空機メーカーの創設については「もはや個別の会社が別々に航空機を製造する時代は終わりつつある」「世界の航空機メーカーと技術面で競争し、勝ち残っていくには、大同団結していくしかない」という声が強く、新会社設立で、米ボーイング社や欧州のエアバス社に対抗する。
しかし、ロシア大統領専用機のイリューシン96が昨年八月、車輪のブレーキ系統に問題を起こし、同型機は、一カ月半にわたり飛行を禁止されるなどの問題を引き起こしている。ロシア国営の航空会社アエロフロートでさえ、メーカーが安全について責任を負わない限り、問題が起こる可能性のある航空機は購入しないとの姿勢を示すなど、ロシア航空機産業に対する風向きは決してよくはない。
加えてロシアのメーカーに、ボーイングやエアバスと並ぶ技術力で魅力ある近代的な旅客機を生産し、国際競争を勝ち抜く力が果たしてあるのか、懐疑的な見方が早くも出ている。
一方で、ソ連崩壊以来かろうじて生き残ってきた航空機産業を、みすみすつぶすわけにはいかないという事情もある。
プーチン政権は、このほか、原子力分野でも核燃料の再処理を行う新しい国営企業の設立を検討している。今後も潤沢な石油・天然ガスマネーを追い風に、戦略産業分野での国営企業設立が増えるとみられ、ロシア経済は「国家主導」の色彩をさらに強めそうだ。
(産経新聞) - 2月23日3時35分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060223-00000008-san-int