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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060223-00000027-mai-soci
海上自衛隊の「極秘」と書かれた暗号関係の書類や、戦闘訓練の計画表とその評価書など、多数の機密データがネット上に流出していることが、22日分かった。流出した海自情報はフロッピーディスク約290枚分に相当する膨大なもの。約130の自衛艦船舶電話番号や顔写真付きの隊員名簿、非常時連絡網なども含まれており、防衛庁は事実関係について調査を始めた。軍事専門家は「トップシークレットの情報が含まれている」と警告。過去最大級の軍事情報漏えい問題に発展する可能性も出てきた。【サイバーテロ取材班】
関係者によると、情報は、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」のネットワークに今月中旬に流出した。ファイルの内容などから、護衛艦「あさゆき」の関係者のパソコンが「暴露ウイルス」に感染したことが原因とみられる。
注目されるのは「暗号関係」というフォルダ。この中には、暗号の解読機とみられる「符号変更装置」の操作手順の詳細な記述があった。また、「極秘」と記された、非常用暗号書や乱数表などの書類の名称と整理番号をまとめた「暗号書表一覧表」があった。数字を羅列した「側方観測換字表」や、自衛艦のコールサインをまとめた表は「秘」となっていた。
一方、「ドリルパッケージ」というフォルダ内には「監視経過概要」のタイトルで、「本艦の258度、38マイルに探知(監視ラインの外1600yds)」「情報収集A法発動」「目標との距離を1000ヤードつめる」など、何らかの船舶を追跡したとみられる記録がある。訓練かどうかは不明だが、専門家は海自の作戦能力を知られる危険性を指摘する。
「電話番号一覧」という名のファイルには、090で始まる電話、ファクスなどの「船舶電話番号」や、「衛星電話番号」などのデータが並び、「昨年3月現在」と上部に表記されていた。大量の電話番号が出たことで、より大切な情報にアクセスされる恐れもある。
隊員名簿は、昨年4月現在の護衛艦「あさゆき」の約40人分の隊員リストとみられる。本籍地や住所地、家族構成のほか最終学歴や宗教の項目もある。このほか、「あさゆき」関係の文書として、「非常呼集連絡網」「艦内作業予定」「個人配置表」「勤務表」など多岐にわたるデータが収容されている。
「あさゆき」は、海自佐世保基地配備の護衛艦。基準排水量は約3000トン。全長130メートルで乗員は約200人。魚雷や速射砲、機関砲などの装備がある。
数日前からネット掲示板に「海自情報が流出している」などの書き込みが相次いでいる。
防衛庁広報課は、「(掲示板に)書き込みがあったことは承知している。詳細については現在調査中」と話している。
▽軍事アナリストの小川和久さんの話 ここまでまとまった資料はトップシークレットと言える。他国の情報機関やテロ組織にとっては宝の山の資料だ。内通者をつくったり、なりすましを許しかねない。特に船舶追跡記録は、作戦能力が分かる可能性もあり、まずいのではないか。海自は直ちに対応しなければならない。