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□秘密メモが暴くイラク戦争目前のブレア‐ブッシュ謀議 [TUP速報]
http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/630
ブレア−ブッシュ会談秘密メモが暴くイラク侵略謀議
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アメリカとイギリスが共謀してイラク侵略を行ったことを示す、イギリス政府
のいわゆるダウニング・ストリート・メモが暴露され、ブレア首相が窮地に
陥ったことは、TUP速報499号(2005年5月18日)、513号(2005年6月15日)、でお
伝えしましたが、また一つ、ブレア‐ブッシュ会談の秘密メモが、フィリッ
プ・サンズ教授(ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ)の著書「Lawless
World(無法世界)」のごく最近(06年2月3日)出版された改版の中で明らかにさ
れ、話題を呼んでいます。数々の証拠を突きつけられながらも倒れないブレ
ア、ブッシュ両首脳のしぶとさには舌を巻かざるを得ませんが、私たちも執念
深く彼等の戦争犯罪の証拠を暴き、その責任を取らせなければなりません。
truthout.org から、英紙ガーディアンの記事を紹介します。なお、06年2月6
日のしんぶん赤旗に、ロンドン特派員岡崎記者による記事が出ています。
( http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-02-06/2006020607_03_0.html )
寺尾光身/TUPスタッフ
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秘密メモが暴くイラク戦争目前のブレア‐ブッシュ謀議
リチャード・ノートン-テイラー
英紙ガーディアン
2006年2月3日金曜日
英首相が、国連による後ろ盾のあるなしに関わらずアメリカの侵略を「断
固支持する」と約束した。
今日出版された戦争へ至る道についての新しい解説書によると、トニー・ブ
レアはイラク侵略が合法であるか否かについて(側近に)助言を求める前に、ま
た第二の国連決議がなされていないにもかかわらず、アメリカのイラク侵略計
画を「断固」支持すると大統領ジョージ・ブッシュに伝えていた、という。
ホワイトハウスで2003年1月31日―イラク侵略のほぼ2カ月前―に行われたこの
二人の指導者による2時間に及ぶ会談のメモが、第二の国連決議があろうがな
かろうが、また禁じられているイラクの兵器製造計画が存在するとの証拠を国
連査察団が発見できなくとも、アメリカはイラクを侵略するつもりである、と
ブッシュ氏が明言したことを暴露している。
「軍事計画に沿って外交戦略を立てる必要があったのです」と大統領はブレ
ア氏に言った。ブレア首相はそれに異を唱えなかったという。首相は「大統領
を断固支持しますし、サダムに軍備を縮小させるためならどんなことでもする
用意があります」と言った、と書かれている。
これらの暴露事実が書かれているのは、王室顧問弁護士であるロンドン・ユ
ニバーシティ・カレッジのフィリップ・サンズ国際法教授が著したLawless
World(無法世界)の改版の中である。サンズ教授は昨年、外務省顧問弁護士も
極秘情報の中で侵略の合法性に疑問を呈していたことを暴露したが、その結果
法務長官ゴールドスミス卿が首相に行った法的助言をすべて首相自ら公表せざ
るを得ない所へ追い込んだのだった。
サンズ教授が確かめたメモはこうだ:
* サダムに関する動かぬ証拠を発見できない事態をアメリカはとても憂慮
しているので、「国連機のように彩色したU2偵察機を制空権を確保した上でイ
ラク上空に飛ばす」ことを考えている、とブッシュ氏はブレア氏に語った。
ブッシュ氏はさらに「サダムがこれらの飛行機に砲火を浴びせれば、サダムは
[国連諸決議の]違反者であることを免れない」と付言した。
* ブッシュ氏は、サダムの離反者をイラクから連れ出して、「サダムの
WMD(大量破壊兵器)について公開の場で証言」をさせたい、とさえ表明した。
ブッシュ氏は「可能性は小さいけれど」サダムが「暗殺される」こともあると
ブレア氏に示唆した、とも言われている。
* こちらの軍事的キャンペーンが何かの加減でうまくいかなかった場合、
あるいは、サダムが油井に火をつけたり、子どもを殺したり、はたまたイラク
の内部分裂を助長するような挑発に出た場合に、第二の国連決議が「アラブ諸
国を含めて国際的な支持」を獲得するための「保険となる政策」である、とブ
レア氏は大統領に言った。
* ブッシュ氏は「異なる宗教的または人種的グループ間の内戦は起こら
ないのではないかと思っている」と首相に語った。本書によると、ブレア氏は
異議を唱えることはなかった、という。
第二の国連決議がなされなくてもイラクとの戦争に踏み込むという米大統領
の方針をブレア氏が支持したという暴露によって明らかになった事実は、その
直後国会で行った首相の確答とは矛盾する。2003年2月25日−首相のワシント
ン訪問の3週間後−ブレア氏は下院で、政府は「サダムに、自主的に軍備を縮
小する機会を、最後にもう一度だけ」与える、と語ったのだ。
首相はさらに、「今日ただいま、国連を通した自主的軍備縮小という選択肢
もあることを政府はサダムに提示しています。私はサダム政権を嫌悪していま
す―たいていの人が嫌っていることを望んでいます―が、今に至ってさえサダム
は国連の要求を呑んで政権を維持することもできるのです。現在でも、平和的
に軍備縮小を成し遂げるために特段の措置をとる用意が政府にはあります。」
と述べた。
3月18日、この戦争に参加するか否かを決する重要な投票を前にして、首相
は議員に、「国連は外交と実力行使のどちらにおいても要でなければならな
い。。。[そして軍事行動を取らないと言う選択は]我われが追求可能ないかな
る他の選択肢よりも、長い眼で見れば国連により大きな打撃となるに違いな
い」と語った。
このブッシュ氏とブレア氏の会談は、6人の側近が同席し、国連が課した軍
備縮小義務に違反してサダムが大量破壊兵器を製造しているという主張を裏付
ける確たる証拠が何も得られていない、そのことに懸念が高まっているという
タイミングで行われた。この会談はまた当時の国務長官コリン・パウェルが、
国連で行った劇的な演説の中でイラクの兵器製造計画についての主張−その後
間違いであることが判明した−を提示した日の数日前に行われたのだ。
本書によると、これより前2003年1月に外務大臣ジャック・ストローがブレ
ア氏に宛てた私信の中で、動かぬ証拠が存在しないことに自分自身は懸念を抱
いている、と述べていたという。ストローは、国連から課された義務にイラク
が違反していると報告することができるに十分な証拠を、国連主席兵器査察官
ハンス・ブリックスが見つけてくることを心待ちしていたと述べた。
首相府は昨夜、この秘密メモの存在を否定はしなかったが、「首相は2003年
3月18日の投票で下院の承認を得てから英軍をイラクに派遣した。」と述べ
た。さらに、安全保障理事会の一連の決議によってイラクに課せられた義務を
イラクに確実に果たさせるために軍事行動に訴えるとの決定は、イラクを軍備
縮小させる試みが皆失敗してはじめて行った、とし、「もちろんこの間英政府
と米政府間でイラクについて頻繁に意見交換を行った。首相が他国の指導者と
行った会話に関して当府はコメントしない。」と付言した。
自由民主党代表代行メンジース・キャンベル卿は昨夜、「サダム・フセイン
を挑発しようとして明らかに意図的に国連機のように彩色した米軍機を使った
という事実それ自体、何が何でも戦争に突入しようという意思を目に見える形
で表現したものである。1月31日の英米両首脳の会談以降にニューヨークの国
連で行われた外交努力の数かずは、単なるジェスチャーに過ぎなかった、とい
うことが事実であることをも示しているに違いない。」と述べた。
「首相が2月25日にサダム・フセインに提案したことは、実質的に意味を持
ち得なくて当然な、無内容なものであった。首相には説明すべきことがたくさ
んある。」とも。
当時のイギリスの駐国連大使ジェレミー・グリーンストック卿が、第二の決
議を取り付けることに失敗したことは「極めて居心地が悪い」と外国人の一同
僚に話した、とサンズ教授は述べている。外務省顧問弁護士たちは、侵略は非
合法とみなされざるを得ない、と警告し続けていた。外務省次席法律顧問でこ
の戦争を理由に辞任したエリザベス・ウィルムスハーストが、「イラク戦争準
備期間における諜報活動バトラー調査委員会」に、法務長官ゴールドスミス卿
は外務省と見方を同じくしていることを自分は確信している、と語ったことを
本書は明らかにしている。バトラー調査委員会への非公開の証言によると、
ゴールドスミス卿は2003年の早い時期に「首相が私に、私の助言は受け入れな
いが、私がどう考えているかはわかっていると言った」と外務省顧問弁護士た
ちに語ったということだ。
ゴールドスミス卿は2003年3月7日に、ブッシュ政権は第二の国連決議なしで
も侵略を正当化できると信じている、と首相に助言した。しかし、卿はイギリ
スが国際刑事裁判所で追求される可能性があると忠告した。その10日後、卿は
第二の国連決議は必要ないと述べた。
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原文: http://www.truthout.org/docs_2006/020306A.shtml
http://politics.guardian.co.uk/iraq/story/0,,1700881,00.html
翻訳:寺尾光身/TUPスタッフ
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