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昨日書いたとおり、引っ越した。新しい住居は、かなり良い。これなら、堂々と連れ込んでモチョモチョできるぞ。
さて、引越し早々だが、片付けもしないで、隣町のシネコンに【ミュンヘン】を観に行ってきた。土曜日の昼間ってことで、場内は満員。土地柄なのか、30過ぎのカップルがウンコ座りしながらクレープ食ってるってのがご愛嬌。
さて、肝心の映画だが、かなり良かった。評価額3000円也。この映画の肝は、如何にして殺すのか。その殺戮シーン。それとセックスシーンに食事のシーン。この3つが重要なのだ。
しょっぱな、映画の背景となる「ミュンヘン五輪村襲撃事件」が、当時のテレビ報道を流しながら描かれる。ただ、このへんの解説が欲しかったところ。知らない人が見ても良くわからないかもしれない。ましてや、いまだにパレスチナ問題を理解していない人があまりにも多すぎる日本ではなおさらだ。映画では良くわからないが、実際、イスラエル選手の全員が殺されたのは、ドイツ政府の対応の不味さが要因だったようだ。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060125#seemore
そして、主人公演じるエリック・バナはその模様をテレビで観てから、妊婦の妻に背後から挿入するシーンがササッとある。これは、スピルバーグ初のねっちこいセックスシーンだ。このセックスは気持ち良さそうに描いている。主人公に「妊婦とはいつまでやれるのか」と言わせ、妻が「生まれるまでよ」なんて良くある冗談かましたりする。
モサドの上司に呼ばれて、任務の内容も聞かずに、あっさり引き受けてしまう。そして、殺しの面子が揃うのだが、これが、各キャラクターが一癖も二癖もある設定で面白い。定番の描写だが、爆弾のプロはオタクで変わった機械仕掛けのオモチャをいつも作っているところなどニヤリとさせる。そして、これから11人を殺そうとするモサドの諜報部員たちは、リーダーがつくるイスラエル料理を旨そうに食うのだ。
殺しの描写は、前評判で、肉片吹っ飛び血みどろベターなんてハデなものを想像したのだが、違った。かなりリアルに描かれているので、後から殺しの残酷さがじわじわ来る。例えば、最初に殺されたオッサンは、買った牛乳抱えたまま、撃ち殺されたので、床一面に広がった白い牛乳が徐々に血に染まったり、喉を撃たれた女は、呼吸するごとに血が吹き出たりと……。凄惨な殺しと前後して、旨そうな食事のシーンが続くのが笑える。爆殺の後に生肉切ったりしてるカットが入るのよ。そのような残酷なブラックジョークがスピルバーグらしいのだと、町山氏は言っている。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20051206#seemore
そして、最後のセックスシーンは、あまりにも惨い。エリック・バナは作戦を終了しても、殺された仲間や、テロの悪夢にうなされながら、「ミュンヘン五輪村襲撃事件」でイスラエル選手が全員殺されるシーンで射精するのだ!!
これは壮絶だ。愛する妻と愛を確かめ合い、生きていると実感できる瞬間に、皆殺しをオーバーラップさせて、発射するなんて。妻は目を見開いたまま射精して果てた夫の目を閉じさせて「愛している」と言う。ここは、この映画のベストシーンだ。
あと、俺が気に入ったのが、情報提供者のルイ。その親父も含めて謎の人物。黒のシトロエンDS21の後部座席でふんぞり返っているのがCOOL。他にもランチアのフルビアクーペとか、ルノー16などクルマキチガイの俺にはコタエラレナかったよ。次期ボンド役の役者も、馬鹿丸出しの演技ではまっていた。
最後、映画は、何も解決せず、終わる。しかし、そのメッセージはセリフで主人公に言わせなくても、貿易センタービルが写っているニューヨークの映像で、しっかり伝わる。エンドロールでじわじわと、その重さが沁みてくる。
この映画の欠点は、イスラエル人がヘブライ語を喋らないということだけ。
やれば出来るじゃないかスピルバーグ。監督初の傑作である。
posted by 死ぬのはやつらだ at 19:42