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敬愛する「バルセロナから愛を込めて」さん,いつも素晴らしいご投稿をありがとうございます。ただ,以下のご投稿における翻訳は思い込みまたは拙速によるお間違いではありませんか?
http://www.asyura2.com/0601/war78/msg/292.html
チョムスキーのインタビューの英文を翻訳ご紹介されていますが、問題があります。この部分です。つまり,ご投稿のご意見の基礎となる部分についての英文です。
"The fact of the matter is that there is no War on Terror. It's a minor consideration. So invading Iraq and taking control of the world's energy resources was way more important than the threat of terror."
このチョムスキーの発言について,バルセロナから愛を込めてさんは、以下の訳を与えておられます。
「実際のところはこうです。対テロ戦争など存在しないのです。それは大したことじゃありません。ですからイラクへの侵略と世界のエネルギー資源をコントロールすることは、テロの脅威よりもずっと大切なことなのです。」
そして、チョムスキーが,世界支配層の一員であることを自ら暴露したもの、と憤慨されておられます。しかし、失礼を顧みず申し上げますが,あなたさまのこの部分の英文のご理解は間違いです。
チョムスキーは,こういうことを言っているのです。
「ことの真実はですね、対決テロ戦争などは存在しないってことなんです。(政府は)対テロ戦争などといっていますが、それは(大儀)名文だけのことなんですよ。イラクを侵略して、世界的エネルギー源を抑えること。(米国政府にとっては)このことの方が,テロを抑えるなどということより遥かに重要だったということなんですね。」
チョムスキーの言っているのは,要するに,イラク戦争は,フセインからアメリカが脅威に晒されることを恐れて戦争を仕掛けたと言うことではなくて,要は石油が欲しかったんです、対テロ戦争というのは要するに屁理屈なんですよ、ということなのです。常にFor the government という句がいつも隠れているのです。It's a minor consideration.というのは、「それは大したことじゃありません。」と言う意味にはなりません。considerationというのは、「こと=thing,matter」ではなく「think =考慮」の意味だからです。つまり、政府は対テロ戦争だなんだといっているけれど、それは、(政府にとっては)考慮としては一つのマイナーな位置でしかない、2次的3次的な問題と考えている、といっているわけです。最後の文章が現在形ではなく、過去形になっていることにもご注意願います。もし,この部分が彼自身の価値判断(石油を理由に戦争をすることは基本的に正しいと考える)、そう今でも信じているのなら、現在形 are になるのでしょう。
バルセロナから愛を込めて、さんの普段からのご貢献に多大なる感謝をし敬意を深く捧げ、ご苦労を多とする者です。ただ、今回の誤りは、バルセロナさん(略称)が,チョムスキーが,実は,世界支配層の一員であるに違いないというあなたさまの思い込みが、理解にひずみを与えたもとと思われます。わたしたちは、逆説的ですが、あまり熱くならず,客体と一定の距離を持って冷静に英語に当たる必要があると思われます(明鏡止水の心の態勢で当たるということですね)。思い込みがいかに理解・翻訳を歪ませるかという他山の石として、自戒の素材とさせていただきます
ありがとうございました。今後ともご活躍を祈っております。
*なお,わたしはチョムスキーを買っていませんし、世界支配層の隠し球の可能性をわたしも感じてはいます。911事件について、政府内のジョブということを示唆するデータ・資料が山積し,活発に検討されていることに,一言も触れないと言う不自然さ。実は彼は,経歴の中で国防総省から学術プロジェクトを委託され,非常に長い年月のあいだ彼らからカネをもらっていたことが最近ある単行本(米国刊)で明らかにされています(邦訳なし)が、そのことが,彼を沈黙させているファクターであることはまちがい無かろうとは思っています。ただし、インタビューで,しっぽを出すへまはさすがに狡猾な彼はやりません。上の部分も普段から彼が言っていることの繰り返しにすぎません(つまり,ブッシュ政権のイラク戦争の目的は石油だ、と)