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沖縄返還「密約」認める 元外務省局長、日本が補償負担
2006年02月09日22時30分
71年に調印された沖縄返還協定をめぐり、当時、対米交渉にあたった吉野文六・元外務省アメリカ局長(87)は9日、米国が負担すべき土地の原状回復費用を日本側が秘密裏に肩代わりしていたことを明らかにした。朝日新聞の取材に答えた。沖縄返還をめぐっては、日米両政府の間に密約があると指摘されてきたが、政府は一貫して否定してきた。政府関係者が密約の存在を事実上、認めたのは初めて。
吉野氏は71年1月から、沖縄が返還された72年5月まで、外務省アメリカ局長を務めた。返還交渉では、事務方の責任者としてスナイダー駐日米公使らと折衝した。
吉野氏は「日本側が返還時に米国に支払った総額3億2000万ドルの中に、協定に定められていない400万ドルが含まれていた」と話した。
この400万ドルは、米軍が軍用などのために占有していた土地を元の田畑などに戻すための費用で、協定第4条には「米国が自発的に払う」と記されていた。
一方、日本側は第7条に基づいて、沖縄にあるとされた核兵器の撤去や、米軍がつくった水道や電気などの資産の買い取りなどのために3億2000万ドルを米国に支払うと定められた。
そのなかに、本来、米国が支払うはずの400万ドルを含ませていたことになる。吉野氏は「沖縄が返るなら日本が払いましょう、ということになった。佐藤栄作首相の判断だった」と話した。
さらに、ベトナム戦争などの影響で米国の財政事情が厳しかったことに触れ、「日本が支払わなければ、交渉が行き詰まる可能性があった」と説明した。
吉野氏は、アメリカ局長当時の国会や、外務省の機密漏洩(ろうえい)にからみ毎日新聞記者らが国家公務員法違反に問われた裁判などで密約の存在を否定してきた。今回、密約を認めた理由について、吉野氏は「米軍再編が進むなど、時代は変わった」と話した。
00年と02年に、密約の存在を裏付ける米公文書が明らかになったものの、政府は一貫して密約の存在を否定してきた。02年7月の参院外交防衛委員会で、川口順子外相(当時)は「00年当時の河野(洋平)外務大臣が日本側の交渉当事者であった吉野元アメリカ局長に直接話をして、密約が存在しないことは確認ずみ」と答えている。
http://www.asahi.com/politics/update/0209/011.html