★阿修羅♪ > 戦争78 > 183.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
映画「ミュンヘン」公式サイト
http://munich.jp/
http://cinesc.cplaza.ne.jp/db/review/mo4030/index.html
世界が目撃した事件のその後
1972年ミュンヘン・オリンピックで起きた襲撃事件と報復
オリンピック開催中に11人の選手が殺されたという史実を基に、事件の背後で暗躍した男たちのドラマを描く感動作。スティーブン・スピルバーグ監督が真の平和を問う話題作だ。
1972年9月5日、ミュンヘン・オリンピック開催中にイスラエル選手団がパレスチナゲリリラの襲撃を受け、11人が死亡した。イスラエルの機密情報機関は報復のために暗殺チームを編成し、メンバーをヨーロッパへ送り込む。
『宇宙戦争』を撮ったばかりのスピルバーグが早々と発表した作品は、“真面目路線”の映画だった。「これはスタジオのためでなく、自分のために撮った」と語っているように、自らのユダヤの血を意識した『シンドラーのリスト』に連なる作品でもある。
1972年、ミュンヘン・オリンピックの最中に、パレスチナゲリラ“黒い九月”がイスラエル選手団の11人を殺害した事件は衝撃的だった。しかし、この事件には知られざる後日談があった。激怒したイスラエルのメイア首相が報復を決意し、諜報機関モサドに首謀者11人の暗殺を命じたのだ。
映画はスリリングに暗殺の経緯を追いながら、グループのリーダー、アヴナーら5人の暗殺者の心の内を見つめる。アヴナーは善良で誠実な男。身重の妻を思いやる家庭的な夫だ。国を愛し、テロに憤ってはいるが、これまで人を殺したことはない。しかし、モサドの一員である以上、任務を遂行するしかない。ごく真っ当な人間が異常な状況に引きずり込まれた時点で、サスペンスが生まれる。
最初、彼は引き金を引くことに躊躇するが、任務が成功すると喜びが湧き、やがて非情な殺人者へと成長していく。しかし、殺しを重ねるにつれて色んなことが見えてくる。殺される者も夫であり父であるという当たり前の事実。パレスチナ人にも彼らなりの理念と大義がある。一人殺しても、後釜が同じことをするだけ。報復に終わりはない。次第に頭をもたげてくる任務への疑問。そして、暗殺作戦の中で見えてくるモサド、CIA、KGBなど国家の複雑な思惑で動く秘密機関の暗躍。いったい誰が味方で誰が敵なのか?やがて仲間が次々と不審な死をとげるに及んで、アヴナーは自分が“狙う者”から“狙われる者”になっていることに気づく。
ヒューマニスト、スピルバーグの“真面目路線”は涙と感動で盛り上げる作品が多い。しかし、この映画はパレスチナを一方的に非難することなく、冷静に暗殺者の心の葛藤を描き出す。アヴナーは自分の持つ良識のせいで窮地に陥り、倫理観と生存本能の間で苦しむ。そして、正義とは何か、国家とは何かを考えさせられるのだ。
テロに対して人はどのように向き合うべきか?ミュンヘンの事件から30年余。今にいたってより重要で切実になったテーマを、感傷を排して語る知性。安易に涙を流させてくれないことが、この映画の美しさだ。
稲垣 都々世
【ワヤクチャ】この映画を昨日観てきた。モサドとパレスチナゲリラの双方に敵の居場所を教え報復合戦をさせていると思われる人物が登場する。パパと呼ばれる人物がそうだ。この映画こそが今日の世界の八百長を暴露していると思う。全ては軍需産業の為に行われている生身の人間を使った演出である。