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中ロ取り込み成功 イラン核、安保理付託へ
【ウィーン=関本誠】イラン核問題をめぐるロンドンでの6カ国外相会合の最大の成果は、国連安全保障理事会への問題付託に慎重だったロシアと中国の支持取り付けに、米欧が成功したことだ。国際的な体面を重んじるイラン政権に打撃となるのは間違いない。しかし米欧は、3月の国際原子力機関(IAEA)定例理事会まで経済制裁に踏み切らないなど、中ロへの譲歩も余儀なくされた。イラン核問題解決への道はなお険しい。
●米欧、制裁では譲歩
「国際社会が足並みをそろえた。以前なら難しかった合意をいま、手にすることができた」
ロシアと中国の支持を取り付けたことをブレア英首相はこう自賛した。ドストブラジ仏外相も「強いメッセージを送り、核開発を中止させなければならない」と語り、英仏独との交渉再開につながることへの期待を示した。
米欧は昨年9月と11月の定例理事会で付託決議を模索したが、中ロの反対で断念していた。米国のシュルテ国際機関代表部大使は最近、「11月に付託を見送ったことが、イランによる封印解除、研究活動再開を招いた」として、猶予期間を利用して一歩ずつウラン濃縮に進むイランの姿勢に警鐘を鳴らした。
一方、経済制裁につながる安保理付託に抵抗していたロシア、中国はロンドン会合で、イランの挑発的行動を食い止める必要性を説くライス米国務長官やストロー英外相の説得を受け入れた。しかし、安保理での措置については3月6日のIAEA定例理事会で改めて判断するという、前例のない「2段階付託」の妥協案を米欧にのませた。
AP通信によると、ロシアのラブロフ外相は31日、「国連安保理はイラン核問題では何の決定もしないだろう」と語り、当面、安保理は行動を起こさないとの見通しを示した。国営新華社通信によると、中国の李肇星(リーチャオシン)外相は会合の席上、「矛盾を激化させるような措置を回避するよう希望する」と述べ、対イラン制裁には慎重な姿勢を示した。
当面の焦点は、ウラン濃縮をめぐるロシアとイランとの交渉の行方だ。イランが必要とする濃縮ウランをロシア国内で生産し、供給するというロシア提案についての次回交渉は2月16日に行われる予定だ。
2日から開かれるIAEA緊急理事会で安保理付託が決議されるのは確実で、ウラン濃縮関連活動を中止するなど、イランの姿勢に変化がなければ3月の理事会で安保理に行動を求める決議が行われる見通しだ。ただ、米欧と中ロとの思惑の違いは残っており、安保理で経済制裁などの強制措置を決議するのは難しいとみられる。
http://www.asahi.com/paper/international.html