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2006年1月30日(月)「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-01-30/2006013006_01_0.html
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米国メディアは、二月六日に米国防総省が発表予定とされる「四年ごとの国防計画見直し」(QDR)の骨格が判明したと報じています。その最終的な内容は不明ですが、一連の報道や民間研究機関が公表した草案抜粋などによれば、新QDRは、米国が直面するテロ勢力などとの「長期戦争」に諸外国をいっそう巻き込み、日本を含む太平洋地域を重視する内容となっています。
QDRは、米軍の構成や配置を定める基本文書です。今回発表される二〇〇五年版QDRは、〇一年九月のQDRに次ぐもので、ブッシュ政権になって二度目。今日の米国が対ソ「冷戦」に匹敵する対テロ「長期戦争」に直面しているとの認識にたち、そのためには、米国内の各軍や各省、および諸外国軍との「継ぎ目のない統合」が必要だとしています。
重視されている課題の一つが、太平洋地域での海軍戦力の増強です。「貿易と運輸の世界的な移動」に応じ、空母十一隻のうち少なくとも六隻、潜水艦の六割を太平洋に回す体制をとるとしています。これは、最近の米軍の太平洋重視の動きをいっそう強めるものであり、従来の大西洋重視体制からの大きな転換を意味します。
その要因として指摘されているのが、影響力を強める中国への対処です。ワシントン・ポスト紙によれば、ヘンリー国防首席副次官は最近の演説で、QDRの四つの主要目標の一つとして、「戦略的岐路」にたつ中国のような国に影響を及ぼすことを挙げています。
太平洋重視体制のもとで特筆されているのが日本の役割です。QDR草案は、「日本、オーストラリア、域内のその他の諸国との同盟が、域内での関与と、共通の安全保障上の脅威に対処する協力行動を促進している」と述べ、日米同盟を高く評価しています。ミサイル防衛配備での日本との協力の進展にも触れています。
新QDRは、このほか、特殊部隊や海兵隊の役割を重視しています。核兵器については、「確固たる核抑止力を維持する」としています。
草案は、「攻撃への対応を強いられるのでなく、攻撃を予防する必要」や「多国間の脅威が成熟する前に、それらを妨害し敗北させる」必要があるとして、先制攻撃戦略を継続する意図を表明しています。他方で、「対テロ戦争勝利や、その他の安全保障上の死活的目標の達成は、軍事的手段だけでは不可能だ」とも述べています。
(坂口明)