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(回答先: Re: パレスチナ評議会選:ハマス大躍進 和平プロセス危機に( MSN毎日 ) ⇒ 画像のURLは次のとおり。↓ 投稿者 gataro 日時 2006 年 1 月 27 日 09:05:03)
イスラエル 実は“想定内”?
パレスチナ評議会選 ハマス勝利
「イスラエルせん滅」を掲げるイスラム原理主義組織「ハマス」の勝利が伝えられた25日のパレスチナ評議会選。現政権の支持基盤「ファタハ」に代わり、初めて主導権を握ることになるハマスと、宿敵イスラエルとの関係が今後の焦点となる。中東和平をにらみ、今回の選挙で双方の利害はどのように絡んだか。対決の“水面下”をのぞいた。(ヨルダン川西岸北部ナブルスで、嶋田昭浩)
投票前日二十四日夕。ナブルス近郊バラタ難民キャンプの狭い路地裏に、ファタハ傘下の武装勢力、アルアクサ殉教者旅団のナセル・アブアジズ幹部(33)が姿を見せた。
イスラエルの治安組織に追われる身とあって、取材中も腰の短銃を抜き取り、点検するなど警戒を緩めない。間近で自動小銃の連射音が続く。
親友を次々失いながら長年イスラエルと闘ってきた武装勢力にとって、イスラエルとの和平交渉再開を急ぐファタハの政治姿勢には怒りが募る。だが、それ以上に、今回初めて選挙に参加したハマスの姿勢は、より大きな「パレスチナ人への裏切り」と語気を強めた。
かつては「革命的な人たちだったはず」のハマスは「アッバス自治政府議長から(閣僚などの)いすを約束され、武力による抵抗をやめた」。今後、たとえ和平交渉が再開されたとしても「(背後に)武力による抵抗がなければ交渉に圧力をかけられないのに」と、ハマスの“軟化”を嘆く。
その上で、ハマスとイスラエルとの間にさえ、何らかの秘密合意が存在するとの疑いに言及した。「ハマスの国外指導者が、ヨルダンを通じてイスラエル側と“交渉”を持っていた」からだ。
「ハマスはイスラエルが育てた」−。ファタハの支持者らはこう言う。
アラファト前自治政府議長(二〇〇四年死去)の影響力を弱めるため、アラファト氏の統制が利かないハマスを、パレスチナ勢力の“内紛”に駆り立てようと、イスラエルが上手に利用してきたとの見方だ。
しかし、難民キャンプの福祉事業などで貧しい住民らの間に支持を広げたハマスの勢力は膨張。イスラエルにとって最大の脅威となる。
ついにイスラエルは〇四年春、ハマスの創設者で車いす生活を続けていたヤシン師と、同師に次いで指導者となった強硬派ランティシ氏をミサイル攻撃で暗殺した。
その後、ハマスは攻撃を停止。今回も、決起集会などにヤシン師、ランティシ氏の肖像を大きく掲げ選挙を戦ったが、幹部らはイスラエルとの間接協議の可能性に触れるなど、指導部の姿勢には柔軟さが感じられた。
イスラエルが一九六七年に占領・併合した東エルサレム。イスラエル政府は今回、ここでのハマスの選挙運動を禁じ、候補者らを拘束したが、間もなく釈放。ハマスも表だった運動を控え、双方は正面衝突を避けていた。それでも「モスク(礼拝所)や大学などを通じ、組織的な運動ができた」と地元ハマス関係者は明かす。
対イスラエル攻撃停止“継続”と引き換えの選挙運動“容認”−。こんな構図がほの見える。
既に昨年五月、ヨルダン川西岸北部カルキリヤでハマスが議席を独占するなど、地方選レベルでは躍進がめざましく、水や電気の供給といった日常の行政事務をめぐって、イスラエルは隣接する親ハマスの市長らと調整を続けてきた。
もとより、イスラエルの長引く占領やハマス幹部の暗殺などが、逆にパレスチナ住民のハマスへの支持を加速。ハマスも、イスラエルとの協議を続けたファタハ自治政府を在野で批判し、住民の共感を集めてきた事情は否めない。
こうしたハマス隆盛の選挙戦の空気を読みつつ、強硬派を“排除”してハマスを自治政府に引き込む−。それこそがハマスの牙を抜き、脅威をなくすためのイスラエルの深謀遠慮かもしれない。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20060127/mng_____kakushin000.shtml