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(回答先: ハマス、過半数の勢い パレスチナ選挙ほか( asahi.com ) 投稿者 gataro 日時 2006 年 1 月 27 日 08:58:14)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060127k0000m030113000c.html
ガザ地区南部ハンユニスで26日、ハマス勝利を喜ぶ支援者たち=ロイター
【ガザ市(パレスチナ自治区)樋口直樹】パレスチナ評議会選挙でイスラエルの存在を認めないイスラム原理主義組織ハマスが大躍進したことで、当事者間の相互承認に基づく現行の和平プロセスは最大の危機を迎えた。ハマスが新政権を主導し、これまでの強硬路線を維持しようとすれば国際社会からの孤立化は必至で、停滞する和平プロセスは一層の混迷に陥ることになる。
選管の公式発表を前にハマスが過半数の獲得を宣言すると、ヨルダン川西岸ラマラの自治政府議長府にファタハ幹部を乗せた車が続々と集まった。エラカトPLO交渉局長は「パレスチナの政治はこれまでとは全く違う局面に入ろうとしている」と述べ、ハマスの大躍進でパレスチナの政治地図が大きく塗り替えられ、従来の和平プロセスの枠組みが根本的に変化するとの見方を示した。
ハマス自身にも、評議会の過半数を単独で制するつもりはなかった。「ファタハに次ぐ第2勢力として、新政権に隠然たる影響力を行使するのが狙いだった」と地元ジャーナリストは分析する。綱領でイスラエルの存在自体を認めていないハマスが新政権を主導した場合、イスラエルや国際社会との間で避けることのできない交渉を前に、自らが抱える矛盾に直面することになるからだ。
「私たちはこれからどうなるのか。国際社会から『テロ国家』と呼ばれることになるのか……」。ガザ市の教師ヤヒヤさん(29)は、ハマス主導の新政権が誕生する可能性に戸惑いを隠さない。ファタハの支持者だったが、「腐敗したファタハに警告を与えるため」、今回の選挙ではハマスを支援した。「過半数を制するなんて考えもしなかった」という。
◇国際社会の意向、無視はできず
▽立山良司・防衛大学校教授の話 イスラム原理主義組織ハマスが過半数を占める議席を獲得する見通しとなった背景には、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの腐敗体質や、ファタハを支持母体とするアッバス自治政府議長の指導力不足に対する批判の表れがある。パレスチナ住民の多くは、ハマスが掲げる「イスラエルせん滅」や和平交渉に応じない姿勢を支持してはいない。
ハマスが政権を握れば当面、和平の動きは中断するだろう。一定の現実路線を示したとしても、従来の方針を180度転換することはハマス自身にとっても容易でない。そうである以上、イスラエルも米国、欧州連合もハマス政権と公式に接触するわけにはいかない。
パレスチナは財政的に国際社会の支援に依存している。ハマスが政権をとっても国際社会の意向を無視するわけにはいかないだけに、極端な政策を取ることはできず、イスラエルとパレスチナが決定的に衝突する事態にはならないだろう。和平交渉が停滞する中、イスラエルは今後、「交渉相手がいない」としてヨルダン川西岸での分離壁建設を進め、一部入植地からの一方的な撤退を進めるのではないだろうか。【聞き手・前田英司】
毎日新聞 2006年1月26日 21時53分 (最終更新時間 1月27日 2時22分)