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(回答先: パレスチナ評議会選 ハマス圧勝へ ファタハ敗北宣言、首相ら辞表 【産経新聞】 投稿者 愚民党 日時 2006 年 1 月 27 日 05:20:50)
遠のく和平の道
パレスチナ評議会選挙でイスラム原理主義組織ハマスが過半数を占めれば、和平交渉再開への希望は当面、断たれることになる。ハマス台頭はイスラエル世論にも影を落とし、三月のイスラエル総選挙では対パレスチナ強硬派に有利に働くだろう。だが、今回の選挙の最大の意味は、自治政府の主導権がパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハからハマスに移ったのが明確になったことだ。ハマスが“責任政党”として「現実」にどう対応するのか、パレスチナ社会は未知の局面に突入する。
穏健派のアッバス自治政府議長の下でパレスチナ社会が平穏を取り戻し、和平交渉再開の環境が醸成されることを期待してきた米国やイスラエルはハマスと交渉しないと言明してきた。ハマス側もイスラエルとの和平交渉を否定しており、接点はそもそも存在しない。
意識不明に陥っているシャロン首相が進めたガザ地区の一方的撤退を支持したイスラエル世論の大勢もハマスの大躍進に警戒し、「強い政府」を求める心理からリクードなどの強硬派支持に流れる傾向が強まるはずだ。オルメルト首相代行率いる中道のシャロン新党、カディマ(前進)の勢いにも陰りが出よう。
住民の多くがハマスに支持を与えた背景には、徹底したイスラエル不信と和平プロセスは機能しないというあきらめ、腐敗や世代対立で機能しなくなったファタハへの失望感などがあり、必ずしも宗教的な動機ではない。
早くもアッバス議長はハマスに次期内閣の組閣を要請せざるを得ないとの見方が出ており、“ハマス政権”の可能性も現実のものとなってきた。だが、武装解除や和平交渉を拒否するハマスが自治政府を担う以上、「政治組織」へと脱皮する必要があり、和平交渉に限らずイスラエルに対しても「現実的な対応」を迫られる。
「殉教」と称される自爆テロを抑え、実質的なイスラエルとの停戦をどう維持するのか。ハマスが武装解除を拒否し続ける限り、パレスチナは国際社会から孤立し、経済支援を打ち切られるなど、新たな閉塞(へいそく)状況に追い込まれかねない。
だが、イスラム教を支柱とするハマスがイスラエルを含むパレスチナ全土の解放という建前を撤回することは不可能に近く、自らのイデオロギーと“責任政党”という新しい顔のギャップをどう埋めるのか、ジレンマを抱えることにもなる。(村上大介)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/27iti002.htm