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英国と米国で学校の試験を使った思想調査?(Propaganda Matrix:全文対訳付)
1月23日付のPropaganda Matrixに次のような記事がありました。短いものですので対訳をつけてお知らせします。
これは英国と米国の学校(日本でいえば高等学校)で「思想調査」とも受け取ることのできる試験が行われた、という話です。
ただ、日本人にはややわかりにくい点がありますので、先に説明をしておきます。
文中の『Aレベルの生徒(A-level students)』ですが、英国の試験制度を知らなければ解らないでしょう。英国では16才の年にGCSEという統一テストを受け、大学進学コースに進む者を選抜します。大学進学コースでは18才の年齢までにGCE(Aレベル)という統一テストを受けます。これは受験機会が6月と1月の年2回あります。煩雑ですので細かいことは省略しますが、主要な科目のほかに細分化された様々な科目の試験が準備されており、その中から受験生が選んで受験します。GCSEもGCEも各地域の試験実行委員会(Exam Board)が主催し、同じ科目でも試験問題はそのBoardごとにやや異なります。解答用紙はExam Boardに集められて採点されます。また試験は全ての科目で記述式です。
また、この対訳では“alternative 9/11 beliefs”は「9・11の非公式見解」としています。
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http://www.propagandamatrix.com/articles/january2006/230106searchingforsubversives.htm
Are Governments Searching For Subversives Through School Exams?
各国政府は学校の試験を通して不穏分子を探しているのか?
Paul Joseph Watson | January 23 2006
According to the Resistance Blog, A-level students (16-18) in Britain are being asked questions about alternative 9/11 beliefs, conspiracy theories and how much faith they have in government.
Resistance Blogによれば、英国のAレベルの生徒(16〜18才)が9・11の非公式見解、陰謀論について、そしてどれほど彼らが政府に忠誠心を持っているのかを質問されている。
【注:このResistance BlogのUrlは以下の通り。ここには先日この試験を受けた一人の女子生徒の投稿が紹介されている。】
http://blog.myspace.com/index.cfm?fuseaction=blog.view&friendID=3029548&blogID=79416765&MyToken=58e8706e-16eb-4048-9c90-80f136460036
Is this part of a vetting process to try and identify the next generation of political dissidents or is it simply an assessment of how deep the alternative truth movement has penetrated the mass collective unconscious?
この審査過程は次の世代の政治的反対派をつきとめるためのものなのか? あるいは単純に非公式な真相解明運動がどれほど深くこの巨大な無自覚層に浸透しているのかの審査なのだろうか。
The exam took place in West Yorkshire England and in the first question, the student was asked to discuss the possibility of governments leading populations into believing facts that are not necessarily true. The source given was an individual who presented an alternative explanation behind 9/11.
この試験は西イングランドのヨークシャーで実施され、その最初の質問でその生徒は、政府が人々に必ずしも真実ではない事実を信じるように導く可能性について記述するように求められた。その資料として与えられたのは9・11の背後についての非公式見解を提示する一人の人物であった。
【注:先ほどのResistance Blogには、この生徒が受験したのがA2 General Studiesという科目であったことが記されている。】
Other questions centered around how much the student trusted Tony Blair and George W. Bush.
他の質問は、生徒がトニー・ブレアーとジョージ・W.ブッシュをどれほど信頼しているのかというようなことに集中した。
After the exam ended, the student was taken aside by the head of the exam board and asked if he she had spoken about the content with any other students (who as it turned out had taken a different exam with different questions). Upon denial, the student was told that if she kept it quiet then the exam board would look favorably upon her and give her a good grade.
試験が終わった後、生徒はExam Boardの責任者のところに連れて行かれ、彼女が誰か他の生徒たちとその試験の内容について話をしたかどうか(他の生徒は異なる質問が付いた異なる試験を受けたことが判明したのだが)を質問された。その生徒が否定すると、もし彼女が黙っているならExam Boardは彼女を好意的に扱い良い成績を与えるだろうといわれた。
【注:先ほどのブログによると、一緒に同じ科目を受験した友人は別内容の試験を受けていた、と書かれてある。“Immediately after leaving the exam room I discussed the exam with one of my friends at college, and had sat no such exam, even though he was due to take the same one as me.”】
Late last month we highlighted a case in Washington State where 10th grade students were given 'patriotism tests' that evaluated their faith in the state.
先月の終りに、我々はワシントン州で第10学年【注:日本で言えば高校1年】の生徒が、州に対する忠誠心を審査する「愛国心テスト」を受けさせられたことにスポットを当てた。
【この件に関するthe Prison Planetの記事は下。】
http://prisonplanet.com/articles/december2005/301205patriotismtests.htm
Why are education boards choosing this material? Are they taking orders from a fearful establishment who are keen to measure how far alternative perspectives on modern day events and how they affect the balance between the citizen and the state have perforated societal norms?
どうして教育Boardがこのような素材を選んでいるのだろうか。彼らは、最近の出来事に関する非公式なものの見方がどれほど社会的な規範の中に行き渡っているのか、そしてそれらが国民と州との間のバランスに影響しているのか、を計ってみたいと強く望んでいるある支配者からの命令を受けているのだろうか。
In any case, the very fact that such material finds its way into school exams is a good indication of how much reach and influence the alternative media now enjoys in popular culture.
いずれにせよ、このような素材が学校の試験の中に入り込んでいる事実は、オールタナティヴ・メディアが民衆の文化の中にどれほど浸透し影響を与えているのか、の好例である。
【以上、対訳作業、終り】
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英国での例は一人の受験生からの投稿ですし、今のところ他の人からの同様な告発は見ていません。ちょっと首をかしげますが、もし本当だとしたら、特定の人物を「狙い撃ち」にして上記のような「思想調査」をしたのか、無差別に行ったのか、あるいは、この女子生徒の証言が全面的に嘘なのか、これだけでは何とも判明しません。ただこのような「試験」をテストケースとして英国各地で実施していることは、可能性として全くゼロというわけでもないでしょう。
米国ではSATでその種のものが出されたということは聞きませんが、学校の試験では、学校によってはありうるでしょう。国旗に対する忠誠心は9・11直後から計られているようですが。(これは日本も、か。)
ただし上記の話の真偽はともかく警戒は常に必要でしょう。他の証言が出るかどうかも注目しておきます。また今後このような「踏み絵的試験」が一般的にされてしまう可能性は十分にあります。
(追加)
英国の教育について、歴史で「ヒトラーとナチ」についての内容が多すぎる、という批判が出ていることは、以前に阿修羅で見た記憶があります。確かに小学校の時から相当に時間をかけて「ホロコースト教育」を行っているようです。ただし私はバルセロナにある英国の学校の例しか知りません。小学校の場合は教師にもよるでしょうしそれが全英で同様なのかどうか私の知識にはありませんが、統一の指導要綱はあるはずです。
【参照】
http://www.asyura2.com/0502/war66/msg/1255.html
アンネ・フランクはガス室で死んだ、と叩き込まれる小学生