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2006年1月21日(土)「しんぶん赤旗」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-01-21/2006012107_05_3.html
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【パリ=浅田信幸】シラク仏大統領は十九日、仏北西部ブレスト近郊の核搭載原子力潜水艦基地を視察し、仏領土へのテロ攻撃に対し核兵器で反撃する用意があると言明しました。従来の核抑止戦略を拡大し、現実に使用する可能性を高めるもの。左翼諸党や反核・環境保護団体から一斉に非難の声があがっています。
シラク氏は、「テロ手段に訴え大量破壊兵器を使用しようとする国の指導者は、わが国の側から断固とした反撃があることを理解すべきだ」とし、反撃が「(通常兵器とは)別の性格をもつ場合もありうる」と述べました。
また「核兵器使用に関するわれわれの意思と能力への疑問を漂わせておくべきでない」とし、「核使用の確実な脅威が、われわれに敵対的な意図を持つ指導者に対して絶えず圧力となる」態勢保持の必要性を強調しました。
核兵器使用で考慮される「死活的利益」は、従来の「領土保全、住民保護、主権の自由な行使」に加え、エネルギーなどの「戦略的備蓄」と「同盟国の防衛」にまで範囲を拡大。使用可能性を高めるため、ミサイルに搭載される核弾頭数を削減する措置を打ち出しました。
抑止戦略の拡大、変更は、米ソ「冷戦」終結以来議論を呼んできた核戦力保持の必要性を改めて強調するとともに、核兵器保有の意図が疑われているイランなどに警告する狙いがあるものとみられています。
七百を超える反核・環境保護・人権団体を結集したネットワーク「核からの脱却」は、「核軍縮ではなく核兵器の現実的使用を想定したもの」と非難する声明を発表。左翼諸党の間でも「核軍拡競争を勢いづける」(共産党)、「米国と同じ道をたどる」(緑の党)など反発が強まっています。