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対談 佐藤純彌X森達也
『男たちの大和/YAMATO』は反戦映画か!?より
『男たちの大和』あとは、あなたが観て判断を 森達也
『男たちの大和』完全本のために僕が書いた原稿から、東映のチェックによって、以下の文章が削除を要求された。
日の丸をバックに「close your eyes」などと無邪気に唄う半裸の男も、本当は必要ない。「それでも この国を たまらなく 愛しているから」などの浮ついた歌詞は、佐藤純彌の渾身の思いを妨げるだけだ。
まあでも、東映を頭ごなしに批判する気はない。この文章に換えて、僕は東映の宣伝戦略を批判する文章を書き、それは掲載を了解されたからだ。その意味では、東映の懐はなかなか深い。
「この国と愛する人を守るために彼らは死んでいった」とのフレーズが意味することは、「米軍への降伏は、この国と愛する人の破滅を意味する」と、彼らは信じていたということだ。
もしもそうならば、靖国に眠る英霊たちは、今この国の繁栄に目を丸くするに違いない。大和と共に沈んでいった男たちは、自分たちの映画のテーマソングのタイトルが「敵性言語」であることに、呆れて声を失うに違いない。
『男たちの大和』完全本には、パンフレットから引用する形で、作家の阿川弘之が、こんな文章を寄稿している。
この映画の観客は、彼ら乗組員が身につけていた規律、勇気、礼儀正しさ、国家への忠誠心、正確無比な言葉遣いを学ぶだろう。
この映画のどこをどう観れば、「国家への忠誠心」などを学ぶのだろうと呆れたが、考えたらこのパンフは、佐藤監督が編集を終える前に、すでに印刷されている。テーマ曲も同様だ。要するに長渕も阿川も、完成された映画を観ずに書いたのだ。
所詮はその程度。佐藤監督も実は、こんな視点には当惑している。ただし対談におけるその箇所は割愛した。東映サイドから削除を要求されるだろうと予測したからだ。だからこの付記は蛇足。でも書きたかった。
いずれにせよ、映画はもう公開されている。あとは、観客、つまり観たあなたたちの判断だ。
posted by 死ぬのはやつらだ at 01:44