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シャロン後へ綱引き ぺレス氏めぐり新党と労働党 イスラエル政界
【カイロ=加納洋人】脳出血で重篤となったイスラエルのシャロン首相(77)の政界復帰がほぼ絶望的となったことで、「シャロン後」のイスラエル政界をにらんだ駆け引きが活発化している。
首相が旗揚げした新党カディマ(前進)への支持を表明したノーベル賞受賞者のペレス元首相(82)に対し、中道左派の労働党が復党を働きかける一方、カディマは同氏引きとめに必死だ。重鎮ペレス氏の動向は三月末の総選挙の勝敗にかかわるだけに同氏をめぐる両党の綱引きは熾烈(しれつ)さを増している。
ペレス氏は、昨年十一月九日の労働党党首選挙で労働組合出身のペレツ氏に敗れ、同月末、労働党離党を表明。「和平へと導く最適な人物はシャロン氏だ」として、新党カディマへの支持を打ち出した。
しかし、ペレス氏が労働党に復党した場合、カディマはシャロン氏に続き、大きな後ろ盾を失い空中分解する恐れもあるため、カディマのオルメルト首相代行は六日、ペレス氏と会談、労働党への復党を思いとどまるよう説得した。党内では態勢立て直しのために、オルメルト氏を早期に後継党首に据えることも検討している。
一方、シャロン首相の容体について入院先のエルサレムの病院幹部は七日夕、会見し、同日に実施したCT検査の結果、「脳の腫れがややおさまるなど若干の改善がみられた。脳圧や血圧は正常だが、依然、深刻な状態だ」と述べた。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/08int003.htm