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元反乱軍人、台風の目 ペルー大統領選 貧困層から高い支持
ウマラ氏=AP
【リマ=萩一晶】4月のペルー大統領選挙で、フジモリ元大統領の「穴」を埋めるかのように、かつて反乱を起こした元軍人オジャンタ・ウマラ候補(42)が貧しい人々の間で急速に支持を広げている。3日には「反米」を掲げるベネズエラのチャベス大統領が公然と支持を表明。台風の目となってきた。
5日、ウマラ氏がリマのホテルで開いた会見には内外の記者約200人が集まり、蒸せ返った。
短髪で精力的な容姿。インカ風の布を首に巻き、先住民の血を引くことをアピールする。「収入や健康、教育の改善など、既成政党が果たせなかったことを実現する」
だが、政治的な立場はまだ不鮮明な点が多い。「あなたは左翼ですか、右翼ですか」。地元記者がまだ、そんな質問を浴びせるほどだ。
名をあげたのは陸軍中佐だったフジモリ政権末期の00年。政治の腐敗を批判して約50人の兵士と武装蜂起した。昨年1月にはウマラ氏の弟らがトレド大統領辞任を求めて警察署を占拠し、銃撃戦で警官4人が死亡した。
自ら率いるペルー愛国者党は経済のグローバル化に反対し、重要な産業には国家が関与すべきだと主張する。財界には「国営化を進めるのではないか」と危ぶむ声もあり、メディアは「危ないイデオロギーの寄せ集め」(コメルシオ紙)と警戒気味だ。
ベネズエラ訪問では、やはり元軍人でクーデター未遂事件を起こした「兄貴分」のようなチャベス大統領と握手。ボリビアで当選したばかりのモラレス次期大統領からも声援を受けた。反米色の濃い左派政権が広がる南米の奔流に乗ろうと、意識した運動なのは明らかだ。
支持の中核は目先の政争に明け暮れる既成政党や、結託したマスコミに不信を募らせる貧困層。専門家の間では「フジモリ氏は拘束されて望みがないと知って、同様に既成政治の枠の外で決断力がありそうなウマラ氏に大部分が流れている」(カトリック大学のネルソン・マンリケ教授)との見方が有力だ。エスプレッソ紙のビクトル・ロブレス編集長は「初当選した90年のフジモリ氏の状況に似ている」と話す。
昨年12月末の大統領選候補の支持率調査では、フロレス氏(国民統合)が26%で首位を維持したが、ウマラ氏は前月より10ポイント上がって23%と急追し、事実上トップに並んだと見られている。
http://www.asahi.com/paper/international.html