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NHK-BS1 「アメリカは日本をどう見ているか」 実況中継 もし中国と戦争すればアメリカは必ず負ける(C・ジョンソン)
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投稿者 TORA 日時 2006 年 1 月 04 日 16:07:36: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
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NHK-BS1 「アメリカは日本をどう見ているか」 実況中継
もし中国と戦争すればアメリカは必ず負ける(C・ジョンソン)

2006年1月3日 火曜日

【マイケル・グリーン】
一昔前の安全保障の考え方はもう通用しません。テロリズム、そして大量破壊兵器拡散の脅威、中東をはじめ世界の状況が日本の安全保障に直接影響します。

アメリカ軍と自衛隊が今以上に訓練を重ね機動力を高める事ができれば危機への対応力が向上します。戦争の抑止力も強まり米軍駐留の効果も発揮されます。在日アメリカ軍再編については関係者の全員が満足できる形には出来ないでしょう。日米双方にとってメリットのある在日アメリカ軍の基地再編を目指しています。

自衛隊の基本的な役割は日本を守る事です。しかし日本全土と周辺の海域をカバーする自衛隊の防衛能力は日本を含む北東アジア一帯の安定に貢献できます。これは重要です。なぜならここにはユーラシア大陸の東の海岸線に広がる不安定の弧が存在するからです。日本国外の地域を防衛する事は今は自衛隊の任務ではありません。しかし今後は中国を含む北東アジア一帯の安定にいかに貢献していくかが課題になると考えています。

【リチャード・アーミテージ】
日米関係はまさに最良です。小泉首相とブッシュ大統領の仲も完璧に上手くいっています。そして軍事政治経済全てを統合する事ができました。とても満足しています。

安全保障についての考え方が一般の日本人も政治家も大いに成熟しました。かつてクリントン大統領の時代には北東アジアを訪問する時に日本をとびこして中国を訪問した事もありますが今では考えられない事です。イラクの問題については日米間で微妙な見方が異なるかもしれませんが、日本政府の自衛隊がサマーワで成し遂げた業績はすばらしいもので、イラクの人々に大きな希望を与えています。

アメリカとイギリスのように共通の価値観にたって同盟関係を目指す事が日本にとって大切な事だと考えました。これは党派を超えてスタッフの共通した意見だったので提言書の中に盛り込みました。ただ集団的自衛権については誤解があるようですが。

集団的自衛権の行使が禁止されていると言うのがどういうことかといいますと、アメリカ軍と海上自衛隊の船が公海上でホノルルに向かっているとしましょう。この時アメリカの軍艦が攻撃されたら自衛隊はすぐそばにいても何も出来ないのです。日米が同盟関係を結んでいると言うのにこれではとても理屈に合いませんよね。

日本ではこれまで集団的自衛権の行使が禁止されている事を理由に軍事面での協力に一定の制限を設けてきました。この制限はそろそろ無くなったほうがいいのではと考えたのです。2000年のリポートで私が集団的自衛権に言及したのは、この問題が日米関係での障害になっている事実を伝えるためです。そしてリポートにもはっきりと書いたとおり、その決断を下すのはあくまで日本政府なのです。アメリカが決めることではありません。

中国の台頭は19世紀のドイツ帝国もしくは20世紀の世界大国アメリカの出現と同じインパクトをもつと思います。それくらい重要な事です。我々は北東アジアで全く前例のない事態に直面しています。日本と中国という二つの拮抗する勢力が対峙しているのです。アメリカと日本は上手く処理しなければなりません。それが出来て日米関係は始めて成熟したと言えるでしょう。

懸念と脅威は別物です。もし中国の存在を懸念していますかと聞かれれば「そうだ」と答えます。中国の最終的な目標は読めませんが核兵器を持ち軍事力を増強しています。間違いなく安全保障上の懸念です。しかしまだ脅威とはいえません。中国の今後の出方次第です。

中国の軍事力増強については二つ考えるべきことがあります。一つは中国が軍事力の強化を実に上手くやっていると言う事です。旧ソビエトのように予算を軍事力につぎ込み社会や経済の発展を犠牲にするようなことはしていません。注意深く考えられた国のプログラムに従って進められています。二つ目はその目的が台湾の独立に備えるものだと言う事です。ここで重要なのは台湾に向けられる軍事力は同じ島国の日本にも使われる可能性があるということです。これが過去50年で今最も重要な日米同盟が必要な理由の一つです。

我々は中国を敵とみなしていません。中国とは折り合いをつけるべきで、そのためにも日米関係の強化が重要だと考えます。中国にはアメリカや日本だけでなく他のアジアの国々にも良い関係を持って欲しいと考えます。歴史を見れば明らかですが、新しい勢力が台頭すると既存の勢力はそれを上手く取り込もうと努力します。政治、経済、安全保障の分野で混乱が起こりえます。しかし日米同盟は強固で連携がうまくいっています。

我々は中国を国際社会で適切かつ有益な役割を果たすよう導いていけると思います。反対に日米関係がギクシャクしていると中国にそこを突かれる恐れがあります。東西冷戦の時代から中国の指導者は日米関係を熱心に研究し理解を深めてきました。今でもそうです。日米の絆を強くしておかなければならないと思います。同盟関係の破綻は極東だけでなく世界各地に影響を与えると思います。

【ジョセフ・ナイ】

2000年当時私とアーミテージ氏は日米関係がアメリカの対東アジア政策の中心にあるという見解を共有していました。そこで2000年の大統領選は始まる前に超党派的なグループを作って日米関係の強化を提言するリポートを一緒にまとめたのです。その後彼がブッシュ政権に入ってからも私はその立場を支持し続けました。

しかし私は個人的にブッシュ大統領が行なったイラク侵攻は間違いだったと思います。もっと多くの国の理解を得て国連と行動をともにすべきでした。

日本はアメリカの先制攻撃には手を貸しておらず国連決議のあった国連決議に参加しただけです。世界経済にとって重要な中東地域で大国としての平和的な役割を果たしたわけですからアメリカのためにだけ動いたと言う事はないと思います。

【カート・キャンベル】
報告書を作った当時まるで夜空の星のように遠くにある目標のほとんどがここ数年間のうちに達成されたと言えます。安全保障の分野で日米同盟の大きな進展が見られました。しかし気がかりな事があります。残念な事にアメリカは世界中で評判が悪く、同様に日本もアジアで評判が悪いのです。これは現在の日米関係がとても緊密な事と無縁ではありません。

私は最近アジアの友人に数多く会ったのですが皮肉な事に軍事力の増強を図っている中国ではなく日本に対してより強い不信感を持っていました。単に評判が悪いと言うだけで我々が間違っているわけではありません。外交や国家の安全保障の問題は人気コンテストではありませんから。しかしアメリカと日本がこれほどまでに評判が悪いと言う事実がアメリカの対アジア外交に悪影響を与える事は避けられません。私は日米双方が理解と支持を得るための努力をもっとすべきだと思います。

【クリス・ヒル】
やがて世界の大国になる中国とアメリカは長い付き合いをする事になるでしょう。しかし中国のGDPが日本あるいはアメリカを超えるのはずっと先の事です。中国が日米両国のレベルに達するのはまだ時間がかかると思います。

【ゲーリー・シュミット】
アメリカと中国の関係を楽観する意見はこの10年で少なくなりました。90年代には共和党も民主党も経済発展に伴って中国国内の政治改革も進むだろうと考えていました。そのためアメリカの指導者たちは中国の行動の多くについて容認していました。中国は長い時間をかけて正しい方向へ向かっているのだから辛抱強く見守ろうと。しかし経済成長は政治面の発展につながっておらずアメリカは落胆しています。

今アメリカ軍の部隊をヨーロッパからアジアに移動させる計画が国防総省で盛んに議論されています。これも中国が台湾に攻撃を仕掛けたときに向かい打てるかと言う不安があるからです。アメリカは中国が何をしても勝てると自負してきました。しかし近年増強された中国軍に打ち勝つにはアメリカ軍も更なる軍備を充実させなければならないのは明らかです。

有事の際には迎撃しなければなりません。いま国防総省が4年に一度の国防計画の見直しを行なっている真っ最中ですが、そこで最も重要なのが中国の脅威に対抗するため日本を含むアジアにどうアメリカ軍を配置するかなのです。中国との軋轢を生むより安定した関係を望むアメリカ人もいます。これは経済関係を重視しているからです。しかし中国との間には軍事的な緊張があります。台湾に対する野望が消える事はないのです。そうなるとアメリカは経済よりも安全保障のために行動せざるを得ません。それが国際政治というものなのです。

【チャルマーズ・ジョンソン】
私は中国を脅威だとは思いません。そんなことを言っているのは国防総省の人間です。脅威だと言うのは一種のプロパガンダです。今の中国にとって戦争ほど危険なものはありません。戦争になれば彼らが築いたもの全てを失うからです。今の中国人は富を手にする事を心から楽しんでいるように見えます。台湾と戦争する事も望んではいません。ですから脅威になんてなりえないのです。本当の脅威は中国は不安定だ脅威だと信じているアメリカ人です。彼らは東アジアに安全保障に対する処方箋は空母、原子力潜水艦、巡航ミサイルだと思っているのです。時代遅れです。今東アジアを動かしているのは経済、それを扇動しているのが中国なのです。

アメリカはこの現実に適応しなければなりません。アメリカの製造業は衰退しています。軍需産業だけは別ですが。生産を次々と海外に委託して自動車産業でさえ手放す寸前です。次世代の自動車に投資しているのも日本企業だけですからね。もし中国と戦争になればアメリカは必ず負けます。中国はベトナムのように戦うでしょうから。そして中国と戦争をすれば中国をより軍国主義的な方向に向かわせる事になるでしょう。中国の台頭を認めるほかに選択肢はないのです。

中国を軍事上の脅威だと恐れる必要はありませんが、日本には今やるべきことがあります。それは中国の成長を冷静に受け止めてアメリカとの関係を見直す事です。

日本は東アジア諸国に対して誠意をもって接しているでしょうか。日本は世界第二の経済大国です。それに見合ったリーダーシップを発揮しているでしょうか。ODAといった金の話をしているのではありません。民主主義を大切にする先進国として良い手本を示しているかと言うことです。ナショナリズムを丸出しにして周辺諸国と軋轢を起こしている場合ではありません。アメリカは日本の代わりに中国をパートナーに選ぶようになりますよ。かつて日本の頭越しに中国と手を結ぼうとしたニクソンやキッシンジャーのようにアメリカ人は移り気だと言うのをお忘れなく。ブッシュ大統領だって得にならない関係はすぐに切りますからね。

【ジョン・ダワー】
ブッシュ政権は世界の安定と平和を大きく傷つけていると思います。私は現在のアメリカの政策は間違っていると憂慮しています。今のアメリカを支配しているのは軍国主義だと言ってもいいと思います。

イラク戦争の時の態度も「我々は戦う、我々と戦わないものは敵とみなす」というものでした。私が恐れていたとおり、こうした態度が惨憺たる結果を招いています。

世界は今アメリカのせいで危機的な状況に陥っていると思います。こうしてアメリカが危険な行動を取っている時に、日本がアメリカがすることは全てよい事などとアメリカの言いなりになっているのはとても残念です。

また経済システムについてもアメリカの真似をして日本人が持っていた良さを無くそうとしているように思います。私は日本が国民に豊かさを平等に行き渡らせる人間的な資本主義のモデルになるのではないかと期待していました。競争が厳しくかつ軍事力に頼っているアメリカとは違うモデルです。

日本は戦後60年経ちましたが、これまでアジアの国々との関係を重視してきませんでした。中国が台頭してきたいまこそアメリカ一辺倒の関係から脱却するチャンスだと思います。日本人はこんな事を言います。「マンスフィールド大使は日米関係以上に関係はないと語った」と。それもいいでしょう。しかし日本はアメリカ以外の国ともよい関係を結ぶべきなのです。

いまアジアで「日本の外交政策は?」とたずねたとします。答えは「アメリカの言いなり」でしょう。一方「中国の外交政策は?」と聞いたとします。それには中国の指導者が最善だと判断した事といった答えが返ってくることでしょう。日本のほうが中国よりも民主的だと思われているのに、国としては独り立ちしていないと思われているのです。真の独立とは何か、そろそろ真剣に考えなければならないのでしょうか。

(私のコメント)
正月のテレビはくだらないおせち番組だらけで見るべきものはないのですが、正月ならでの特別番組もあって、見逃した方のためにNHK−BSで放送した「アメリカは日本をどう見ているか」の紙上実況中継をしてみます。

私もあまり期待していなかったのですが、マイケル・グリーン氏やリチャード・アーミテージ氏やジョセフ・ナイ氏や、学者としてはチャルマーズ・ジョンソン氏やジョン・ダワー氏など豪華メンバーで、テレビではあまり見かけないインタビューで、直接生の意見が聞けることはめずらしい。

彼らはいわゆるジャパンハンドラーズといわれる人たちで、アメリカ政府の対日政策に大きな影響を及ぼしてきた人たちだ。日本の政治家や学者たちは彼らから御教授させていただいた御高説を日本の政策に反映させてきた。番組内での彼らの発言は現在の日本の外交政策そのままであり、特にアーミテージ氏やマイケル・グリーン氏の影響が非常に強い。

90年代はジョセフ・ナイ氏やカート・キャンベル氏らの意見が主流だったが、中国との経済利権に目が眩んだクリントン政権は、中国が経済成長すれば民主化も進むと見ていたが、見事に中国に裏切られたようだ。中国の朱将軍のアメリカへの核攻撃発言は初めてではないが、アメリカ人を驚かせるには十分だったようだ。

そのような意味ではチャルマーズ・ジョンソン教授の親中国的な発言は興味深いが、現在のアメリカの政策としては危険すぎて受け入れられないだろう。中国と日本とが手を結ぶべきだとも言っているが、アメリカ人から見ても正気の沙汰ではない。しかしアメリカ政府の日本たたきが激しかった頃は私も「アメリカ金融帝国は日中共同の敵」と言う株式日記を書いた。

私としてはジョン・ダワー氏の意見がもっともだと思うのですが、中国の軍備増強が著しい状況では日中関係の親密化はアメリカにとっては悪夢だ。将来ヒラリー・クリントンが大統領になって90年代のような米中関係が親密化した場合は日本もアメリカとは距離を置いて中国と手を組まざるを得ない。だから日本政府もチャイナスクールを切ることはできない。チャルマーズ・ジョンソン教授が言うようにアメリカ政府はいつ手のひらを反すか分からないからだ。

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