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産油国イラク、石油危機 値上げで暴動、石油相は辞任へ
2006年01月04日01時07分
http://www.asahi.com/international/update/0104/002.html
世界有数の石油埋蔵量を誇るイラクで、石油産業の復興が難航している。イラク移行政府や米国は復興の原資に石油収入を当て込んできたが、武装勢力の破壊工作や非効率な行政の影響で輸出量はどんどん落ち込んでいる。さらに、ガソリンの値上げで暴動が起き、バハルルウルーム石油相が2日辞任を表明。混乱が広がっている。
イラク石油省によると、昨年12月のイラクの石油輸出量は日量110万バレルで、120万バレルだった11月を下回り、03年のイラク戦争後で最低に近いレベルとなった。ロイター通信によると、イラクは旧フセイン政権時代の経済制裁下でも日量180万〜250万バレルを輸出していた。
輸出が落ち込む背景には、石油生産の復旧を阻止して社会の混乱と政府からの市民の離反を狙う武装勢力の攻撃がある。石油施設やパイプラインへの攻撃は各地で相次ぎ、中部バイジにあるイラク最大規模の製油施設は先月「治安上の懸念」(石油省報道官)で操業を停止した。
行政の効率の悪さも問題。南部の石油積み出し港バスラでは、悪天候と港湾設備の整備不良が原因で積み出し作業が大幅に遅れる状況が続いている。
生産が落ち込む一方で、イラク戦争後に輸入が自由化されたため自家用車が増加。頻繁な停電に対応するため個々の家庭で発電機を使うようにもなり、イラクではガソリン需要が急増。ガソリンスタンドの前には連日長い列ができている。
移行政府は12月19日、ガソリンなど石油製品を値上げした。国際通貨基金から約800億円の融資を受ける代わり、石油製品への補助金の削減など政府の赤字縮小を求められたためだ。このあおりで、バグダッドではガソリンの値段が4倍の1リットル250ディナール(約20円)に跳ね上がった。
北部キルクークでは今月1日、値上げ反対のデモが暴動となり、2人が死亡。急激な値上げに反対していた石油相は2日、辞任を表明した。
バグダッドの30代の運転手は「仕事を一日休んで並ばないとガソリンが手に入らない。イラクは石油大国のはずなのに、なぜこんなに苦しまなければならないのか」と話した。