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先の大戦における海戦の有様を報告した手記は、将兵の被害状況を書き表した部分では殆どのものが「悲惨な有様」を叙述している。
では、海戦はなぜ悲惨な有様の被害を出現させたのか?
それは、陸戦よりも悲惨であった。
その理由は、艦対艦の戦いから艦対空の戦いに移行した事による。
それを具体的に述べれば、次のようなものである。
元々、軍艦は装甲板に覆われていて、その装甲の内側から砲撃を行ったものである。
戦車と同じようなものである。
装甲板は小さな口径の弾丸は跳ね返してしまうので、沈まない限り、また大破しない限り、将兵の被害は少なかったわけである。
駆逐艦は装甲板に覆われておらず、弾が当たれば貫通した。駆逐艦は速度と敏捷性を要求されたので防御を犠牲にしたのである。
軽巡洋艦については詳しくは知らないのですが、重巡洋艦は装甲板に覆われていた。
戦艦は要塞の様なものであった訳です。
しかし、軍艦が飛行機を相手とする戦いに移行したときに様相は一変した。
対空防御を強化するために、対空機銃や高角砲を甲板上にたくさん並べなければならなくなった。
そしてそれらは敏捷な動きをする飛行機を捕らえるために、自らも敏捷に動き回らなければならず、その為に装甲板で周りを堅固に囲む事は出来ず、裸に近い形で甲板上で射撃を行わなければならなかった。前面や側面に薄い鉄板で囲っても大した効果は期待できないものでしかない。
陸戦においては、地形にもよるけれども砲弾が落下して爆発しても土や草木や岩石や建物が爆風や破片の威力を減じてくれる事がある。
しかし、軍艦の甲板上で爆弾が破裂すると鉄板上での爆発であるから、爆風と破片は威力を弱められることなく将兵を襲う事になる。
甲板上で対空射撃を行っていた機銃手や砲手は装甲板に守られず裸に近い有様で戦っていたので近くに爆弾を受ければひとたまりも無かったのである。
この事は米軍側でも同じであった。米軍側でさらに悲惨な有様が現れた事例は神風特攻機の命中を受けた時であったという。
特攻機が積んでいた爆弾の爆発による被害だけではなく、機体の航空燃料が甲板上に散らばって燃え広がりその火災により水兵達が被害を受けたからである。
これは、9・11事件の被害に形としては似ている。
元々、軍艦の装甲は艦対艦の砲戦や水雷戦のための物であり、対空戦においては対空機銃手や対空砲手を守る事には全く役立たなかった。それは当然の事である。
そして艦上の対空戦は陸上のそれよりも悲惨な姿をとったのである。
戦艦大和が生き残ったならば、その後の運命はどうなっていたか? ビキニ環礁核実験に提供されたであろう。
http://www.asyura2.com/0601/war77/msg/208.html
投稿者 新世紀人 日時 2006 年 1 月 01 日 13:53:58: uj2zhYZWUUp16
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