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http://www.tokyo-np.co.jp/00/sei/20051228/mng_____sei_____002.shtml
来年五月ごろの撤収が見込まれるイラク駐留の陸上自衛隊について、サマワ宿営地のあるムサンナ州のハッサン知事が宿営地を元の砂漠に戻して撤収するよう求めていることが二十七日、分かった。建物を取り壊せば、その分帰国が遅れるのに加え、防御態勢が弱まって隊員が危険にさらされることから、陸自関係者らは当惑している。
陸自は撤収時には過去の海外活動と同じように建物を地元に寄贈する計画でおり、約三カ月で撤収可能とみてきた。ところが、宿営地を原状回復する場合、建物の解体だけでなく、宿営地全体に約三十センチの厚さで敷きつめた砂利を撤去する必要がある。元の砂漠に戻すには二カ月余かかり、撤収には約半年を要する。
政府は「サマワ駐留は来年夏まで」とする英豪軍に合わせて撤収時期を探っている。原状回復が必要となれば、年明け早々にも撤収時期を決断し、早期に作業を開始しなければならなくなる。
サマワ宿営地は、周辺の土地を含め約三・二五平方キロメートル。陸自は年間約三千万円で地権者である二つの部族との間で賃借契約を結んでいる。宿営地は土塁で囲まれ、宿舎は砲弾の直撃にも耐えられる頑丈な造りで、さながら「砂漠の要塞(ようさい)」となっている。
陸自関係者によると、ハッサン知事は陸自撤収時に頑丈な建物が残ったままでは地権者の二部族だけが優遇される結果になると主張、宿営地を原状回復するよう要請しているという。陸自は撤収について知事に相談しておらず、知事が先回りして要請する形になった。
要請の背景には、既に高額な賃借料を得ている部族に対するやっかみがさらに強まり、それが自分に向くのを避ける狙いがあるようだ。
宿営地を原状回復する間、部隊の防御態勢が弱まり、過去十二回あったロケット弾などの攻撃に隊員がさらされる恐れもある。
陸自関係者は「宿営地を軍や警察がそのまま利用するよう説得するしかないだろう」と話している。