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(回答先: Re: テスト 投稿者 きすぐれ真一 日時 2006 年 11 月 08 日 23:01:34)
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/5b036f96e56b3c245e7ed508001e4e53
キューバのソフトパワー
[ 政治経済(国際) ] / 2006年09月25日
前のエントリーの続きです。今月開かれた非同盟運動首脳会議の成果はいくつもありますが、インドのシン首相とパキスタンのムシャラフ大統領がキューバの仲介で会談し、和平プロセス再開の合意に達したなんていうのは画期的なことだと思います。http://www.cubanoal.cu/ingles/index.html">この記事。日本のマスコミはなぜかほとんど報道していませんでしたが・・・。もし、この和平プロセスを仲介したのが米国であったら、一面トップの扱いだったことでしょう。しかし現実は、この和平を仲介したのは、米国の「宿敵」のキューバなのです。これはじつに意義深いことだといえるでしょう。世界は確実に米国を必要としなくなっており、南側諸国は、米国抜きの新しい国際秩序の構築の段階へと至っているわけです。
それにしても、カリブの小国キューバの、この国際政治上の「パワー」の源はどこにあるのでしょうか。キューバにあるのは、米国の政治学者のジョセフ・ナイが、「米国が失った」と嘆くところの「ソフト・パワー」でしょう。ナイの定義によれば、ソフト・パワーとは「国際関係において、自国の魅力によって他国を味方につける力」です。
キューバは、現在、途上国を中心とした66カ国に合計2万3413人の医師や医療技術者を派遣し、キューバの先進的な医療技術を海外に伝えています。またカリブ医学学校を開設し、医者を目指しながら貧しくて進学できないという海外の医学生を全額の奨学金によって受け入れ、医者になって巣立っています。http://embacuba.cubaminrex.cu/Default.aspx?tabid=1881">キューバ大使館のこの記事参照。貧しいキューバが、本当の意味で「顔の見える」人道的なODA、模範的な南南協力を展開しており、そうした活動が南側諸国の尊敬を集め、キューバのソフト・パワーの源泉になっているといえるでしょう。
5月のジャワ島大震災の後には、キューバはインドネシアにすぐに135人の医師を派遣し、最近、ユドヨノ大統領はキューバの医師たちを前に、「あなたたちの英雄的な偉業は決して忘れられないでしょう」と、最大級の感謝の言葉を述べたそうです。http://www.granma.cu/ingles/2006/septiembre/vier22/39indonesia-i.html">『グランマ』のこの記事。昨年のパキスタン地震の後は、キューバは2000人も派遣したそうです。
キューバは、医療以外にも、教育、自然エネルギー、有機農業などの多方面において実際に先進的な国です。この本とこの本を推薦。
下の表は雑誌のhttp://www.theecologist.org/home.asp">The Ecologist の2005年6月号の記事に載っていたものです。なかなか興味深い表ですので引用させていただきます。
キューバと米国の医療比較
米国 キューバ
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・人口 2.9億人 0.11億
・GDP/人 3.6万ドル 0.29万ドル(米国の8%)
・乳幼児死亡率
(千人当たり) 6.5人 6.3人
・平均寿命(歳) 77.43歳 77.04歳
・医者/患者比率 1/350 1/170
・百万人当たりの
AIDS患者数 241.2人 7.3人
・一歳児の予防接種率 95% 100%
・人口千人当たり
自動車数 815台 23台
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乳幼児死亡率はキューバの方が低く、平均寿命も米国にほぼ等しい・・・。
『エコロジスト』の記事では、「キューバは予防医療の領域において世界最先端にある」と強調していました。そして途上国が医療サービス水準を向上させたければ、「答えはカストロに聞け」とも。
米国は、さまざまな病気の原因物質の拡散を得意の規制緩和で放置しながら、世界でもっとも高い医療費を、主として医療産業(株式会社化された病院)と製薬会社を儲けさせるために投入しています。それでも米国は自国民に対し、10分の1以下の一人当たりGDPしか持たないキューバ以下の健康状態しか提供できていないのです。貧しい途上国が自国の医療水準を向上させるために、市場原理主義に立脚したアメリカ医療の失敗にではなく、予防を最重視するキューバ医療の成功に学ぼうとするのは当然のように思えます。
いまフィデル・カストロは病床にありますが、米国と闘い続けた自分の人生の終わり近くなって、非同盟諸国のリーダーとして帝国をここまで追い詰めていることに充足感を覚えているのではないでしょうか。あと一息です。ぜひカストロには生きて米帝国の覇権の終焉を目撃してもらいたい。そして、あの世のゲバラに「ついにやったぞ」と報告して欲しい。それが十分に可能なほど、「その時」は近いように思えます。