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http://www.yukan-fuji.com/archives/2006/12/post_7948.html
当たり屋というと、路地から突然オッサンが飛び出して因縁をつけるシーンを想像するかもしれない。しかし、今時こんな当たり屋なんていないといっていい。手口はもっと巧妙なのだ。今週はその手口を紹介しよう。かつて、ボクの友人も当たり屋にハメられたことがある。それはこんな具合だった。
友人が運転する車を当たり屋が2台の車で前後を挟む→車間を詰めておいて、後方の車が突然クラクションを鳴らす→友人が驚いてバックミラーに視線を移した瞬間→前の車がサイドブレーキを引いて急ブレーキをかける―というものだった。
考えたもので、サイドブレーキを引いてもブレーキランプは点灯しない。しかも友人は後方に気をとられている。これじゃあ、追突しない方がおかしい。その上、敵はぶつけられた車の後部座席にもともと割れていた高価な花瓶を用意していたのだーーーーーーー。
当たり屋からの賠償請求額はン百万円。もちろん友人は保険で対処しようとしたのだが、保険会社は手口を怪しんで、なかなかカネを出さない。そうなると敵は友人の会社に自宅に、直接カネを要求してくるのだ。
むろん、こんな手口は犯罪である。しかし証拠がないのだ。クラクションを鳴らした車は消えうせ、おかまを掘った事実だけが残っている。これでは警察も相手にしてくれない。
ボクも友人として尽力し、割れた花瓶についてはきちんと固定していなかった責任があると突っぱねた。しかし結局、友人は当たり屋が繰り出すあの手この手のプレッシャーに負けて、大枚を払ってしまった。
世の中には、人を獲って食らう肉食人種が確かに存在するのだ。読者諸兄もくれぐれも気をつけていただきたい。
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●田島隆
行政書士。昭和43年広島県呉市生まれ。“街の法律屋”として活躍する一方、平成11年から漫画週刊誌「モーニング」で連載の「カバチタレ!」原作者。17年7月からは「特上カバチ!!(カバチタレ!2)」の原作を手がける。昨今の法律ブームの火付け役。
(2006.12.04紙面掲載)