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□筑前・いじめ自殺から1カ月 真相程遠く [西日本新聞]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061111-00000003-nnp-l40
筑前・いじめ自殺から1カ月 真相程遠く
福岡県筑前町で三輪中2年の男子生徒(13)が自殺してから11日で1カ月。同級生グループから「死ね」「消えろ」など繰り返し言葉のいじめを受けていたことが判明しているが、学校側はいじめと自殺の因果関係については「はっきりしない」と慎重な立場だ。学校や町教委による真相解明は進まず、遺族の悲しみといら立ちは募るばかりだ。 (いじめ問題取材班)
■学校、関連に慎重姿勢 遺族、説明不足に憤り
「1カ月がたとうというのに…。何も進んどらんし、変わっとらんです」。自殺した生徒の父親(40)は、深いため息をついた。視線の先には、丸刈りで目のクリッとしたわが子が遺影の中で、ほほ笑んでいる。
「せめて今は一緒にいてあげたい」。両親は毎晩、霊前に手を合わせ、遺影のそばで「添い寝」するのが日課だ。
「亡くなってすぐは『ただいま』って帰ってくるようでした。少し落ち着いた今はかえって寂しさが込み上げます」。母親(36)は声を落とした。
学校で何があったのか。わが子を死に追いやったものは何なのか‐。両親の思いは真相解明の1点に尽きる。だが、思いが届かないことが、時に学校や町教委に対するいら立ちの言葉となって漏れる。「早く火を消したいとしか思えない」と。
■ ■
「死ね」「消えろ」「うざい」‐。同級生らの証言により、特定の同級生グループがたびたび生徒を汚い言葉でののしっていたことが次第に明らかになっている。自殺の6日前には、体育のダンスの授業中に行われた班分けで仲間外れにされ、泣く姿も目撃されている。
一方で「じゃれ合っているようにしか見えなかった」と証言する同級生もいる。「廊下で擦れ違いざまにとか、便所など人けのないところで汚い言葉をかけていたからではないか。陰湿化する今のいじめの実態だと思う」と父親は語る。
■ ■
「この程度かと思うと悔しくてたまらん」。今月6日深夜。遺族宅で厳しい声が響いた。生徒への聞き取りなどを通して調査を進める学校側が、約束だった中間報告を延期。「伝えるだけの十分な情報がない」との説明に遺族が怒りを爆発させた。
なぜ調査が進まないのか。自殺した生徒をクラスの中でからかうなどしていじめのきっかけをつくったとされる、1年時の担任教諭が精神的ストレスから入院し、事情を十分に聴けていない。さらに、無記名で生徒にいじめの実態を聞く3回目のアンケートも、生徒の動揺などを理由に延期されたままだ。朝倉署は複数の生徒から事情を聴いているが、十分な情報は学校側に伝わっていない。一方、町教委は有識者でつくる調査委員会を発足。12月上旬に中間報告か最終報告を出す方針だが、「公平性」を理由に遺族関係者をメンバーに加えてほしいという遺族の意向には応じていない。
「親としていじめに気づいてあげられなかったことが悔しい。だからこそ真実を明らかにしたい。うやむやで終わらせるわけにはいかない」。両親は、やり切れない思いにさいなまれている。
=2006/11/11付 西日本新聞朝刊=
(西日本新聞) - 11月11日10時7分更新