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山口りつ子県議(日本共産党)の県議会質問速記録・大要からの転載です。
福岡県の小中学生がこの5年半で18人も自殺しているにもかかわらず、教育委員長は「如何なる理由であれ、尊い若い命が失われたことは、誠に遺憾に思っております。
県教育委員会としては、一日も早く今回の事件の真相究明が行なわれることを願っており、こうした事件が二度と起こらないよう、いじめの問題に全力で取り組むことが必要であると考えております」と答弁するにとどまり、その詳細(自殺理由等)について明らかにしようとしていません。
高校生も含めるとこの間の自殺者は57名という多数にのぼります。県教委は速やかに事実を明らかにしていく責務があると考えます。
転載ここから開始( http://www.bea.hi-ho.ne.jp/hidesato/jimu/tayori061110.html )。
教育委員長保留 11月10日(金) 三輪中学校いじめ自殺問題 速記録・大要
質問者 山口りつ子県議
答弁者 清原雅彦県教育委員長
【山口】 筑前町三輪中学校で起きた、いじめによる自殺事件について、教育委員長にお尋ねします。まず、今回の事件を本県教育委員会の長として、どう受け止めておられるのか、責任の一端を感じておられるのか、率直なお気持ちをお聞かせください。
〔答弁〕 中学二年生の生徒が、いじめが原因であるという、遺書と思われるメモを残して、自ら命を絶つという、大変悲しい、あってはならない事件であると考えております。如何なる理由であれ、尊い若い命が失われたことは、誠に遺憾に思っております。
県教育委員会としては、一日も早く今回の事件の真相究明が行なわれることを願っており、こうした事件が二度と起こらないよう、いじめの問題に全力で取り組むことが必要であると考えております。
【山口】 「こうした事件が二度と起こらないよう、いじめの問題に全力で取り組むことが必要」という他人事のような答弁ですが、全力で取り組んでこられなかったから、こういう事態が起きているわけです。
私ども、県警にお願いして、平成13年度から18年度上半期までの5年半の、本県の小・中・高校生の自殺者の数を調べて頂きました。小学生6人、中学生12人、高校生39人、合計57人という数字です。いじめが原因のものがどれぐらいあるのか、これを調査するのは本県教育委員会の責務です。
文部科学省は、9日、いじめによる児童・生徒の自殺件数がゼロとなっている1999〜2005年度の統計を見直す方針を固めたと報じられています。「一日も早く今回の事件の真相究明が行なわれることを願っている」とのことですが、県教育委員会が率先して真相究明の先頭に立って頂きたい。その一環として、過去の児童・生徒の自殺原因の再調査と公表を強く要望しておきます。
三輪中学校の問題の教師は、成績をイチゴの等級で示し、生徒に対し「出荷できない」などと不適切な表現をしていたとのことです。異常な競争教育の実践者だといわざるを得ません。
三輪中学校は、昨年、一昨年と県の学力テストを町独自の予算で実施しています。三輪中学校の昨年度の「学力向上プラン」は、「国語、数学、理科、英語は学力検査等の校内平均を+2〜3点引き上げ、県平均以上をめざす」、とくに理科については「県平均よりも10%アップさせる」などと書いています。
県は、学力テストについて「序列化につながらないよう配慮する、点数競争の激化や子どものストレスにつながらないように実施する」と答弁する一方で、現場が「県平均を目指す」といった数値目標を設定することを容認しています。今回のいじめの背景に、異常な競争教育、点数競争があることは間違いないと思いますが、教育委員長のご所見をお聞かせください。
〔答弁〕 学校において、教職員が指導の目標を共有するため、数値化できるところは数値目標を設定し、評価・検証することにより、教育活動の改善・充実を図りながら、学校に対する保護者や地域住民の信頼を得る必要があると考えております。
なお、このことにより、過度の競争につながることがないよう、指導することが大切だと考えております。
【山口】 数値目標を設定し、これを追い求めることで、激しい競争が生まれてきたのは歴然たる事実です。その点についての反省が不十分なままでは、再発防止につながらないということを強く申しあげておきます。
次に人権同和教育について伺います。「三輪中学校 学校経営要綱」には、部落解放同盟と一体の人権同和教育が位置づけられており、これは、教育の中立性、行政の主体性が問われる大問題です。国の方針とも、県の方針とも異なる、解放同盟と一体の教育が今も続いている、この異常な事態を放置してきた県教育委員会の責任は重大です。その責任をどう考えているのか、伺います。
〔答弁〕 人権教育は、自他の大切さを認め合える学校を作り、子どもたちに安心感や自信を持たせる教育活動であります。
そのためには、政治運動や社会運動と公教育とを峻別し、教育の中立性を踏まえた、適正な教育が展開される必要があります。
県教育委員会としましては、学校現場に不適切な実態があれば、速やかに是正してまいる所存であります。
学校においては、主体性と創造性を発揮した人権教育を展開することが重要であり、県内すべての学校が、このような教育活動に取り組むよう、さらに指導してまいります。
【山口】 「学校現場に不適切な実態があれば、速やかに是正する」ということですね。すでに不適切な実態があると明らかになっているわけですから、ただちに是正していただきたい。強力な指導を重ねて求めておきます。
最後に教育委員会の役割についてお尋ねします。「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の第23条は、「教育委員会の職務権限」を規定しています。「職員の人事」をはじめ、「学校の組織編制、教育課程、学習指導、生徒指導及び職業指導」「校長、教員の研修に関すること」など、全面的なものです。今回のような重大事件が起きた場合、この職務権限に照らして、本県教育委員が、ただちに現地に調査に入り、教育行政のあり方について、全面的に検証すべきではありませんか。見解を伺います。
〔答弁〕 学校における事件につきましては、まず、当該学校設置者である市町村教育委員会が責任を持って対応すべきものでありますが、今回のような重大な事件につきましては、県教育委員会としても指導や助言、援助を積極的に行なうことが必要であると考えております。
このため、事件発生直後から事務局職員を派遣したり本庁に対策本部を設置したりするなど緊急的に必要な措置を講じているところですが、今後、県教育委員会としましても的確に対応して参りたいと考えております。
【山口】 「県教育委員会としても助言、指導、援助を積極的に行なう」と述べられました。いじめと自殺の因果関係をいつになったら認めるのか、全国の国民の怒りが沸騰しているといっても過言ではない状況です。県教育委員会が、与えられた権限を行使し、速やかに職責を果たすよう強く要望し、質問を終ります。