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手術拒否の両親、親権停止 病院と児童相談所が連携
生まれつき脳の病気がある赤ちゃんに必要な手術を両親が拒否したため、病院が児童相談所に「虐待通告」をし、児童相談所の請求を受けた大阪家裁が昨年「子の健全な発達を妨げ、生命に危険を生じさせる可能性が極めて高い」として親権停止の保全処分を命じていたことが21日、分かった。
手術は同家裁が選任した親権代行者の同意で無事行われ、赤ちゃんはその後、請求取り下げで親権を回復した両親の元で順調に育っているという。
この両親は「宗教的な理由」で手術を拒否したが、宗教以外にも重い障害があるなどさまざまな理由で親が子供の治療を拒否する例がある。病院と児童相談所が連携して裁判所の判断を仰ぎ、治療に結び付けたケースとして注目される。
関係者によると、赤ちゃんは昨年、関西地方の病院で生まれたが脳の病気で容体が悪化。主治医は再三にわたって手術を勧めたが、両親は「神様にお借りした体にメスを入れることはできない」と拒み続けた。
赤ちゃんを連れ帰ろうとする様子も見せたため、病院が「手術を受けさせないのはネグレクト(養育放棄)に当たる」と児童相談所に通告。相談所も「親権の乱用だ」として、両親の親権喪失宣告と、緊急措置として親権者の職務執行停止(親権停止)の保全処分を大阪家裁に請求した。