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□小型アルコール検知器 特需に酔えず 健康維持用なのに [河北新報]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061018-00000010-khk-toh
小型アルコール検知器 特需に酔えず 健康維持用なのに
ハンディータイプのアルコール検知器が飛ぶように売れている。福岡市で8月下旬、幼児3人が死亡した飲酒運転事故の後、製品への問い合わせが相次ぎ、生産が追い付かない検知器のメーカーもある。今国会では酒飲み運転への厳罰化が議論され、撲滅に向けた意識も広がっており、需要は今後も続きそうだ。
秋田県は3年前に内規を改め、職員の酒飲み運転が発覚した場合は原則として懲戒免職とする厳しい処分を決めた。検知器を扱っていた県庁地下の売店では通常、約10個の検知器を在庫として備えていたが、福岡の事故が大きな社会問題となった後には職員以外の需要も伸び、再入荷した検知器も完売状態。「11月にならないと入荷できない状況」だという。
ハンディータイプの検知器は、値段が3000円前後から1万数千円まで、メーカーや精度によって異なる。東京の健康機器メーカーによると、検知器の生産を始めた04年春以降、月平均で約2000個を生産していたが、今年は9月に入ってから全国的に引き合いが急増。在庫はすべてはけてしまい、月3000―4000個の急ピッチで生産、出荷を続けている。しかし、供給が間に合わない状態が続いているという。
検知器需要の伸びは、酒飲み運転の取り締まりが厳しくなった影響もありそうだ。秋の全国交通安全運動期間中(9月21―30日)に警察が摘発した飲酒運転は3856件、東北では196件あった。
安倍晋三首相も13日の参院予算委員会で、酒飲み運転に関係する制度の改正に言及。ひき逃げ事件に対する罰則の強化などが検討されることになった。
メーカー広報室の担当者は「検知器はそもそも、運転の可否を判断する機器としてではなく、適量の飲酒を促して健康の維持を図ってもらうために開発した」と説明。酒飲み運転の撲滅に貢献できることには満足しながらも、思わぬ特需に戸惑いも隠せないでいる。
(河北新報) - 10月18日7時2分更新