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□<自閉症男児>閉じ込めで負傷…両親が教師など賠償提訴へ [毎日新聞]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061004-00000071-mai-soci
<自閉症男児>閉じ込めで負傷…両親が教師など賠償提訴へ
東京都小金井市の市立小学校で一昨年、心身障害児学級に通う自閉症の男児(当時8歳)が担任の男性教諭に倉庫に閉じ込められて負傷したのは、学校側が安全配慮義務を怠ったためと、男児の両親が同市と当時の校長、男性教諭を相手取り、賠償を求める裁判を近く東京地裁八王子支部に起こす。両親は「原因は学校の自閉症への無理解。指導方針自体に誤りがあった」と主張している。
訴状などによると、04年11月、男児が体育の授業中に体育館に隣接する地上2階の倉庫に入った際、男性教諭が「そんなに入っていたいなら、しばらくそこにいなさい」としかって閉じ込めた。男児は言葉による注意を理解できないままパニック状態になり、窓から5メートル下の地面に落下。奥歯を5本折り、あごを15針縫う大けがを負った。
警視庁小金井署は昨年7月、業務上過失傷害の疑いで男性教諭を書類送検。東京地検八王子支部が嫌疑不十分で不起訴とし、両親は検察審査会に審査を申し立てたが、先月27日付けで「不起訴相当」と議決された。
男性教諭は一般の教員免許を取得し、心障児学級の担任をしていた。両親は、「入るな」と注意した倉庫に児童を閉じ込めたのは不合理で、「体罰とすら言えない監禁行為だった」と主張。同市と校長については、男児が障害のため事故状況を説明できないことから、積極的に調べるべきだったのに「原因調査をおろそかにし、不誠実な対応に終始した」などとしている。
同市教委は「訴状を見ていないのでコメントのしようがない」と話している。【苅田伸宏】
◇教育行政に対し根深い不信感
男児の両親が小金井市や校長も相手取って提訴を決意したのは、男児を体育倉庫に閉じ込めた男性教諭だけでなく、こうした指導を招いた学校や教育行政への不信感があるためだ。
自閉症は他者と適切な意思疎通を図れない先天的な障害だが、本人や親のしつけの問題とみなされるなど社会的偏見が強かった。文部科学省の研究協力者会議は03年、知的障害を伴わない高機能自閉症など発達障害の児童・生徒に対し、個々の障害に応じた教育支援を行う「特別支援教育」の導入を決めた。事故の1カ月後には発達障害者支援法も成立。こうした機運の中で事故は起きた。
当時、教諭は男児の担任になって3年目。現場には介助員もいたにもかかわらず、その指導のやり方は、叱責して閉じ込め、放置するというものだった。「日本自閉症協会」の石井哲夫会長は「特別支援教育や自閉症を知ろうともせず、校長や教頭が『集団生活ができない子は受け入れられない』と平気で言うことさえ珍しくない」と理解不足が根強い現状を懸念する。【夫彰子】
(毎日新聞) - 10月4日15時3分更新