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http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/post_8fe8.html から転載。
2006.08.23
学校は山林の如し
国が大学の格付けを行なおうとしているが、基準が不明確な上に、国際的な学術誌での論文掲載数などをもとにしているとされるため文系に比重を置いている大学が不利になると予測されるため、諸大学の学長が格付けの延期を求めている。
日付を変えれば日本の話になりそうな気がしますが、今回はタイの話。22日付けのタイの新聞 The Nation を読んでいて見つけた記事 "Ranking of universities 'should be postponed'" のご紹介です。教育省は、今月の31日にランキングを発表する予定を崩していません。賛否両論あるようですが、記事に引用されている意見は、どこの国も同じと言うか、日本の教育関係者にとって、さして目を引くようなものはないように思います。
「この格付けはビジネス的な考え方だ。国はビジネスの考えを教育に当てはめようとしている」という意見が載っていますが、私も全くそう思います。おととい紹介した元水俣市長の吉井正澄さんは、今日の社会を耐震強度不足の建築に喩えていました。曰く、この社会は「経済」という鉄筋だけ残して、他の支えを省いてしまった建物のようだと。吉井さんはまた、自らの林業の営みに引き寄せて、こうも話してくださいました。自分は山に欅(ケヤキ)を植える。欅は300年ほど経たないと、木材としての価値を発揮しない。今、木を植えても、自分の利益にもならないし、自分の子どもの利益にもならない。300年経ってこの山を自分の子孫が所有しているかも分からない。しかし、今、木を植えなければ、山は持続していかないのだ、と。市場原理万能の世の中では古めかしく聞こえてしまいますが、私が教育に対して持っているイメージも、そういう感じです。