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7/24 夕刊
オウム死刑囚 執行停止を
家族の会、被害者配慮し署名活動
オウム真理教(アーレフと改称)の信者や元信者の親などでつくる「家族の会」が、坂本弁護士一家殺害などで死刑が確定した元幹部岡崎(現姓宮前)一明死刑囚(45)の死刑執行停止を求める署名活動を始めた。元代表麻原彰晃被告(51)=本名・松本智津夫=が何も語らぬまま、弟子たちは極刑に処せられようとしているが、法廷で泣きながら謝罪する被告たちと自らの子供たちの姿が重なるという。被害者感情をおもんぱかりながらの苦渋に満ちた活動は、ささやかに続けられている。
署名活動を始めたのは六月下旬。「地裁で実行犯らの死刑判決が出始めたころから、運動しなくてはいけないと思い始めていた」と、会長の永岡弘行さん(68)は明かす。出家していた長男は後に脱会したが、法廷で見る被告たちの姿は、人ごとではなかった。
閉鎖的な教団での教祖と弟子という絶対的な支配・服従関係の中で、誰もが同じ立場となる可能性があったのではないか−。「うちの息子だったらって考えたら、死刑判決なんて考えたくないですよ」。永岡さんの目に涙が浮かぶ。
永岡さん自身も猛毒のVXガスで襲撃され、重症となった被害者。他の被害者や遺族の気持ちを考えると「大手を振ってできることではない」とためらいもあった。しかし、昨年、岡崎死刑囚の死刑が確定。麻原被告の死刑判決も年内にも確定する公算が大きく、「恥も外聞もなくやろう」と決断した。現在、会員がそれぞれの地元で署名を集めている。今後は岡崎死刑囚以外にも、最高裁で死刑が確定した信者たちについて執行停止の署名を集めていく方針だ。
永岡さんの手元には二〇〇三年に、アーレフが信者三百七十人を対象にしたアンケートの結果がある。「今の世の中は悲しい出来事ばかりですが、世界を変えるには、まず一人一人の心が変わらないといけません」(〇二年入会の男性)「イニシエーションを受けた後、心が急変…」(〇三年入会の男性)。
精神世界へのあこがれが磁力となって、新たな信者が教団へと吸い込まれていく。事件前と変わらぬ構図に、永岡さんは嘆息する。「オウムの信者たちが、どういう動機で入信し、罪を犯すに至ったのか。そして現在、なぜ新たな信者が入信するのか。この国の偉い人たちは、あらためて検討してほしい」
署名簿は年内に、法相のもとに届ける予定だ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060724/eve_____sya_____003.shtml