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この社会板で、オーストラリア先住民の幼いこどもらが、周りの大人から日常的に性的暴力を受けていることを伝えました。11歳で妊娠した少女を見て体が震えた、というアボリジニーの看護婦さんの話もここに伝えましたが。が、今回は、彼らが自らこどもを作っている話です。
オーストラリアは、べビーブームで、正確な数字は今は知りませんが、報道によれば、こどもの数は増加しています。色々な要因があるでしょうが、その中のひとつに、出産祝い金制度があります。前回の総選挙の直前、選挙ねらいかは知りませんが、現与党の国民党が提唱し、制度となったものです。
そのときは、こどもの産むと、お祝いに一時金として7000ドルがもらえるというものでした。今は、4000ドルです。日本のお金になおしても意味がありませんが、物価を考えて、日本人としてだったら、おそらく40万円くらいの価値でしょうか。
このお祝い金欲しさに 貧しい人々、特に先住民少女達は、こどもを作ります。
シドニーのあるニューサウスウェルズ州西部のアボリジニーの町では、多くの12歳から16歳までの少女が出産し、社会問題化しています。
12歳が出産ということは、それは、犯罪の結果でもあるのですから。
日本では 40万なんて、すぐなくなるじゃないか、と思われるでしょうが、こちらでは、出産の費用も、それまでの通院も無料なので、そのお金はまるまるもらえるのです。
もちろん、長い目で見れば 子育てにはもっとお金がかかります。
アボリジニーの子供達は、そこまで考えられないのです。
西洋人たちは、彼らには教育がなくて、実際は出産したほうが将来ずっとお金がかかる、ということがわかっていない。と言います。
しかし、私が思うには、彼らには、仕事もなく、夢も未来への希望もなく 将来4000ドルなんてまとまったお金を手にすることは、ありえないと思っているはずです。
この憂慮すべき事態(お金ほしさの少女出産、もっと恐ろしいことは、男性がお金ほしさに少女を妊娠させ、お金を得ようとする)が全国に波及することを恐れ、政府は この ”出産一時金”に年齢制限を設けようとしています。
まあ その方がいいかもしれませんが、
このことは、オーストラリア内の問題としては、アボリジニーが、福祉政策にまったく関与できないので (先住民出身の役人がいない)、彼らに 制度がどういう影響を及ぼすのか、西洋人ばかりの政府がまったくわかっていない、ということを認識させる事件だな、と思います。
そして、アボリジニーのこどもへの日常的な性的暴力に関しても、警察をふやすとか、加害者にもう少し重い罪を負わせるだとか、の政策がだされるばかりで、根本的な解決には、程遠い提案しかなされない、ということが その証拠では と感じます。
もう一つは、お金をあげる、という形の福祉は、よほど気をつかないといけないのかな。ということ。下手をすると、困った人々を助けるどころか、別の大きな問題を生みかねない、ということです。
こども不足の日本でも、この豪州の例は 政策を考える上で、重要な示唆を与えてくれるのではないでしょうか。