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【日経】仕事と休み 溶ける境界 〜いつでもON〜
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投稿者 どうして? 日時 2006 年 6 月 16 日 17:32:44: 5huHSJ2zKWnK6
 

日経新聞1面 シリーズ「ネットと文明」第5部カイシャ変容1
現代版・モダン・タイムズより(抜粋)

インターネット関連企業や外資系金融機関が拠点を構える東京都
港区の六本木ヒルズ。村上ファンドへの東京地検の強制捜査でも
注目を浴びた“不夜城”に、もう一つのメスが入る。

三月上旬、ヒルズ内の六十六の企業や事業所に封書が一斉に届いた。
差出人は三田労働基準監督署。休日や残業手当など労働実態について
調査票への記入を求め「自主点検して頂き、問題が認められた場合は
改善をお願いします」と結ぶ。(中略)

人事担当者は調査票を返送。法律に触れる労働環境ではないと思う反面
「旧来の企業とは微妙に尺度がずれているかも」と思う。当の三田労基署
は「回答の内容次第ではさらに調査する」と、にらみを利かす。

情報の海にいつでも飛び込むことができ、重要な情報をたぐり寄せては
止めなく仕事にのめり込む。
ネットはそんな魅力を秘める。頑張りが成功につながる世界は仕事と休みの
境界を溶かし、「いつでもON(オン)」へ傾斜を強める。(中略)

朝五時に起床。パソコンを起動しメールを確認し、寝る前に送った米国の
取引先からの返事に目を通す。受信は一日百通超。二十四時間以内に返信する
のがこの世界の暗黙のルールだ。時差や距離の壁を取り払うネットの魅力は
魔力にもなってA社員(註1)を駆り立てる。
          ◇             ◇
世界を飛び交うメールは米ラディキャッティ・グループの調査によると、
昨年で一日千三百五十億件と五年前の二十七倍。アメリカ・オンラインが
米国人四千人に聞いたところ、休暇中でもメールを見る人が六割。
四人に一人はベッドでもチェックするという。

情報からはじかれる不安がいつの間にか植え付けられ、仕事が生活に入り込む。
(中略)

米マサチューセッツ工科大教授のトマス・マローンは「IT(情報技術)が
従業員の生産性を高める」と説く。その半面で、“勤続疲労”も静かにたまる。
(B社員のはなし)(註2)
「苦情にはいつでもすぐに対処する」サービス担当で、携帯電話は二十四時間
そばに置く。メール着信はトラブル発生の知らせだ。
夜中でも休日でも・・・。見えない圧迫に疲れ切った。「着信音が耐えられない」
心療内科を訪ねると、抑うつ症と診断された。
          ◇             ◇
仕事と自分との距離、社員同士の距離。没頭の末の死角を絶つ模索も始まる。
(外資系金融業C企業のこころみ)(註3)
“きずな合宿”に社員百人が集まった。巨額の企業買収や株式公開を演出する
面々が二泊三日、目隠しのまま仲間の声を頼りにゴルフを興じ、仮装リレーを
競う。

「ネット社会は相手の表情が読めない。ささいな表現が不和を招く」。
銀行員D部長(註4)はチームワークを通じ社員を孤立させる心の壁を
取り除こうと先頭に立つ。

米コラムニストのトーマス・フリードマンは近著「フラット化する世界」で
国際間の格差がITの進化で縮小し、地球があたかも平らになったように均質化した
と指摘。コンピューターや優秀な外国人に取って代わられない「無敵の民」に
なるにはもっと働き、もっと速く走る必要があると説く。現代版モダン・
タイムスをどう克服するか。ネット時代の文明はそこに成否がかかっている。
(転載終了)

企業など組織に身を置く人とネット社会とのかかわりについてを考察シリーズで
今回が第1回目である。(註1〜4)記事中、所属・氏名が掲載されていましたが
ここではすべて匿名に置き換えました。

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