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卒業式の“君が代騒動”描く「歌わせたい男たち」−−「現代のロンドン市民には理解できない」(2005年9月28日 読売新
http://www.asyura2.com/0601/social3/msg/158.html
投稿者 たけ(tk) 日時 2006 年 5 月 26 日 13:08:50: SjhUwzSd1dsNg
 

ちと、古い記事ですが・・。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/stage/theater/20050928et05.htm

卒業式の“君が代騒動”描く 「歌わせたい男たち」
永井愛が新作

 劇作家で演出家の永井愛の新作「歌わせたい男たち」が、10月8日から11月13日まで東京・森下のベニサン・ピットで上演される。卒業式での国歌斉唱を巡り、高校内で起きる騒動をユーモアたっぷりに描く異色のコメディーだ。(多葉田聡)
一種の極限状態面白い


「いろいろな方面から今の日本に生きる自分を検証する作品を書きたい」と話す永井愛

 売れないシャンソン歌手から都立高校の音楽講師に転身したミチル(戸田恵子)。卒業式で歌う君が代の伴奏を命じられるが、ピアノは大の苦手だった。しかも、あがり性のミチルは式の直前、コンタクトレンズを無くしてしまう。社会科教師の拝島(近藤芳正)から眼鏡を借りようとするが、拝島は「君が代」反対派だった。

 「君が代を歌わなかった教員が処分されたという新聞報道で、初めてこの問題を知った。でも、処分者何人、不起立者何人という数字の背後に一人一人のドラマがあるはず。それを演劇として書いたら面白いと思った」と、永井は言う。

 ある状況に置かれた登場人物たちを、それぞれの立場で巧みに描き分けるのが永井の持ち味。今回も、反対派への説得に奔走する校長(大谷亮介)、賛成派の英語教師(中上雅巳)、双方から距離を置く養護教諭(小山萌子)ら、いろいろな意見の教師たちが織り成すドラマをコミカルに描いていく。

 「私の政治的主張を言うなら芝居でなくてもいい。この問題については、いろいろな意見の人がいて、立場も様々。そういう人々をそれぞれ、ちゃんと描くことを心がけた。社会派の告発劇にはしたくなかった」

 物語が進むうちに、賛成、反対という立場の違いを超え、個人の尊厳や内心の自由といった問題にどう向き合うかというテーマが浮かび上がってくる。

 「殺人も暴力もないけれど、究極の人間性が試される状況。一種の極限状態をスリリングに、おかしく描く作業は劇作家として触手を動かされ、面白かった」

 もともと、この芝居は、英国で劇作家の登竜門として知られる劇場ブッシュ・シアターとの提携公演のために企画された。しかし、粗筋を同劇場の芸術監督に送ったところ、「現代のロンドン市民には理解できない」と却下されたという。

 だが、脚本を書き上げた今でも、「ロンドンで上演したって、いいんじゃないか」との思いは強い。

 「君が代の歴史は確かに理解しにくいけれど、物を言う人と公権力との関係、人間にとって譲れないことと公的なルールとのあつれきは、どこの国でもあることだと思う」

 極めて日本的な状況の中に、普遍的なドラマを見いだす。永井作品に共通する鋭い視点は、今度の作品にも貫かれている。(電)03・5638・4587。
(2005年9月28日 読売新聞)

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