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http://ameblo.jp/lithium/entry-10012792914.htmlより転載。
May 23, 2006
ほんとうに必要なのか
「通勤」ならぬ「通院」などで、JR横浜駅をよく利用している。
そこで、このところ毎日のように見かけるのが、NTTドコモのキャンペーンガールのお姉さまたちの、美脚…である。
この「美脚」のお姉さま方が、果たして必要か否か…ということではない。
これは、正直どうでもいい話でもある。
必要かどうか…と思うのは、そこでキャンペーンされている「ケータイ」である。
そう、JR東日本の非接触型ICカード「Suica」などと連動した「モバイルSuica」を中心とした、「おサイフケータイ」のことだ。
各種広告媒体などで「チャージレス」としてもおなじみだが、クレジットカードとケータイを連動させた…というか、クレジット機能をケータイ電話に搭載した「サービス」だ。
私は個人的にクレジットカードは持つことができないので、「ひがみ…」と思われるかも知れないが、だいたい、こんなものを、いったい誰がどうやって使うんだ…いや、誰が欲しがるのか…と正直なところ分からない。
私は前にも記したことがあるが、JR東日本のICカード「Suica」にはお世話になっている。
ただし、使っているのは定期券と連動していない「Suicaイオカード」と呼ばれるものだ。
そのため、チャージするときはもちろん、最初に購入する段階でも氏名や連絡先などの個人情報の登録を行わなくていい。
ただし、紛失した場合はもう「それっきり」である。
個人的なリスクは個人で負う…だから私は使うようになったし、チャージするときも経済的困窮者でもあるから1000円がほとんどで、年に数回3000円チャージする程度だ。
そんなことはまあ、いいのだが、私が「Suica」を使う理由のひとつに、個人情報の入力が不要なこと…があった。
何月何日、どこからどこまで行ったか…などという、プライベートなデータをJRなどの企業に「実名」で提示する必要がないから、まあ安心して使うようになった。
でも、おサイフケータイはちょっと訳が違う。
クレジット機能が付いているので、当然ながらすべての個人情報は企業側に「吸い上げられる」。
それは、氏名、住所などの基本的なこと以外に、どこからどこへ、いつ行って、何を購入し、どこでコーヒーを飲んだか…までが情報として把握される。
こんなことを果たして消費者は望んでいるのだろうか。
単体のクレジットカードでも、いつどこで、何をいくらで買ったか…は当然ながら「情報」として企業に把握されるが、これが「おサイフケータイ」「モバイルSuica」と連動することによって、さらに細かく立体的な情報となって把握される。
例えば…だ。
一人の女性が「おサイフケータイ」を持って、彼氏とデートすることを想像してみよう。
まず、彼氏とJR最寄り駅にあるコーヒーショップで待ちあわせを約束する。
そして、それなりにデートを楽しむ(内容はご想像におまかせする)。
それから、二人は盛り上がって、彼氏の家へ彼女は「お泊まり」することになる。
終電ぎりぎりで彼氏とともに、彼のマンションの最寄り駅まで電車で行く。
そして、彼女は「お泊まり」なので、近くのコンビニで、メイク落としなどの「お泊まりパック」などを、おサイフケータイで購入する。
ちなみに、彼女は彼氏との「お泊まり」を想定して、待ち合わせのコーヒーショップへ行く前に、デパートのランジェリー売り場で「勝負下着」を購入していた…。
まあ、よくあるケース…かもしれないが、こういうことがあったとする。
でも、これを「おサイフケータイ」のお世話になってやると、彼氏の電話番号やメールアドレス、通話時間、送受信パケット数…。
そう、お互い知り合ってから(連絡をとりあうようになってから)、どのくらいで彼氏の家へ「お泊まり」に行ったのか。
そして、待ち合わせに便利なコーヒーショップでは、どういったものがオーダーされていたのか。
さらには、ランジェリー売り場ではどのようなデザインのものを、いくらで購入したのか。
コンビニの「お泊まりパック」は、何時頃に購入されたのか…といった情報がすべて把握されてしまう。
もちろん、これらの情報を立体的に企業側が分析すれば、年齢層や収入程度に応じて、女性が購入する「勝負下着」の価格帯は把握できるし、コンビニの「お泊まりパック」の出荷量も曜日、時間帯によって、緻密に予測できるようになる。
また、購入する女性の属性、さらには相手の男性の年齢や収入なども、相手が「おサイフケータイ」を使っていれば、データとして把握することができる。
まあ、簡単に言えば、プライベートが丸裸にされるも同然…である。
果たして、こういったことを消費者が望んでいるのだろうか。
おそらく、望んでいるのは…いや、そういった情報を欲しがっているのは、サービスを提供する「企業側」なのは明白だ。
そう、「おサイフケータイ」をもったカップルが、終電に乗ってどちらかの自宅へ向かい始めたら、自動的に「お泊まりパックのご購入は、○○で…! 午前1時までなら、購入いただいた方には、特製歯ブラシプレゼント!」なんていう、「広告メール」が着信する可能性だってある…。
そこまで、みなさんは、プライベートを企業に「監視」されたいですか。
そして、消費行動そのものも「誘導」されたいですか。
私は絶対に嫌である…。