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http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2485323/detail
【PJニュース 09月24日】− 今月18日、世界各地の人権侵害の実態を調べている国連の人権理事会で、日本の人権状況が報告され、特別報告官が「日本には、偏った歴史認識から旧植民地の中国や朝鮮半島の出身者に対する根強い差別が残っている」と指摘した。そして「差別の根源には、周辺アジア諸国との過去の対立を巡る偏った歴史教育などがあり、ユネスコ=国連教育科学文化機関の指導のもと、東アジア諸国は歴史の編さん事業を進めるべきだ」と述べたという。わたしの調べた限りでは、このニュースを19日に報じたのは、NHKの午前9時のBSニュースと午後2時の総合テレビのニュースだけであったようだ。
この報告に対し、日本の国連代表部は「特別報告官は差別の実態について報告すべきであって、歴史認識を問題にするのは権限逸脱だ」と反論したと伝えられるが、これが報告内容の本質に対する反論になっていないことは明白である。この際、特別報告官が権限を逸脱したか、否かは大きな問題ではない。国連の人権理事会が「日本国内に存在する差別は、偏った歴史認識に由来する」と分析したという事実の重さこそが問題である。
靖国参拝を巡り、小泉純一郎首相は一貫して「中国や韓国からの批判は、内政干渉だ」「参拝は心の問題だ」と反論。みずからの正当性を客観的に検証してみせるポーズすら見せてこなかった。なるほど、歴史観や世界観には、それぞれの国や民族に固有のものがある。そうした固有の価値観に対し、他国から批判を受ければ「干渉するな」と感情的になることもあろう。しかし、そうであればこそ、他国の歴史観や世界観もまた尊重しようとすることも大切だったはずだ。それに気づく能力が彼に欠けていたわけはないのに、あくまでも高飛車な態度を取り続けたところに、彼のタカ派政治家としての真骨頂があった。だが、中国や韓国だけでなく、国連からも「日本の歴史認識は偏っている」と指摘された今、日本の為政者が主張する歴史認識が国際社会の中で容認されるものなのか、どうか、冷静に考える必要がある。
26日には、小泉首相の後任として安倍晋三内閣が発足する。同じくタカ派的言動を“売り”にしてきた安倍氏だが、安倍氏は今のところ、靖国参拝については態度を明確にしていない。ただ、彼がアメリカの押しつけ憲法だからという理由で、憲法改正を訴える一方、そのアメリカとの軍事同盟の強化に積極的な姿勢を見せるという矛盾は、日本の新保守主義者に共通する“価値観のぶれ”と見ることもできる。
同盟国のアメリカや国連という国際社会の仲間たちから「歴史認識の偏り」を指摘されたとき、安倍新首相はどのような反応を示すのだろうか。今月21日には、東京地方裁判所が「いやがる教職員に君が代などを強制するのは思想・良心の自由を侵害する違法な行為だ」とする判決を出したばかりでもある。安倍新政権は教育基本法の改正を急ぐ前に、国際社会の一員として尊敬を集めることができる歴史教育のありようを、広く議論する必要がある。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJニュースはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 成越秀峰【神奈川県】
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