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2006.9.22（その３）
森田実の言わねばならぬ［371］
〈新著推薦〉首藤信彦氏(前衆議院議員・東海大学教授)の新著『政治参加で未来をまもろう』（岩波ジュニア選書、2006年８月刊）は、日本のすべての高校生、大学生に読んでほしい本である。高校生、大学生諸君、日本を良くするために、日本の破壊を食い止めるために、正義のために起ち上がってください
「星火燎原」（『書経』）
[星のような小さな火でも、燃え広がると原野を焼くほどの勢いになる。反乱や一揆が、はじめは小さな力しかなくても、ほうっておくと広がって防ぎ止められなくなること]（竹田晃著『四字熟語成句辞典』講談社より引用）
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「星火燎原」は、首藤信彦さんから私に贈られた著書の扉に書かれていた言葉である。おそらく首藤さんの座右の銘の一つであろうと思う。首藤さんの政治への強い情熱が込められていると私は感じた。
首藤さんの選挙区は神奈川７区。2003年11月９日投票の第43回総選挙では小選挙区で勝ったが、2005年９月11日の前回総選挙（郵政解散）では、惜しくも苦杯を喫した。
首藤さんは大変すぐれた民主党を代表する政治家であり、理論家であり、有力な論客である。国際政治経済、危機管理のエキスパートでもある。いま議席がないのが、本当に惜しい。大学教授をしながら衆議院議員の職務を立派にこなしてきた。国会審議において主役の役割を果たしていた。１日も早い復活を、私は熱望している。首藤さんのいない国会の審議は主役不在である。
首藤さんからの手紙には、次のように書かれていた。
《「政治参加で未来をまもろう」
未来は現在の次に自動的に到来するものではありません。われわれが希望を託す「未来」はもう溶解しつつあって、今の政治が次に提供しようとしているものは、もはや「未来」とは呼べないような質の悪いものなのです。
今、世界では若者が自分たちの未来をまもるために、選挙権があろうが無かろうが、さまざまな手段を使って社会の不条理、抑圧的な政府や社会構造と闘っています。それはある意味で、若者の自己防衛(セルフディフェンス)なのです。(中略)
世界全体で若者が立ち上がっているのに、なぜ日本では、若者は自分の人生をそして未来をまもろうとしないのか、そこには日本社会の抱える深刻な問題があります。
そうした問題点を分析すると同時に、現代社会における民主主義の意義、政治の役割、そして市民が政治に参加するための具体的な方法などを書きました。高校生や大学生の皆さん、そして親の世代にもぜひ読んでほしいと思います。》
私は、本書を一気に読了した。「はじめに」において、首藤さんは、テレビのワイドショーやニュース番組の悪質な情報操作を鋭く批判している。
《平均的な視聴者が「きっと、こうなるだろう」と予想する結論に都合の良いインタビュー映像だけが流されています。「政治に関係も関心も無い、というのが現代の若者…」というワイドショーの番組進行台本にあった意見だけが採用され…》
《多くの若者がレポーターの質問に真剣に答え、その中には政府に対する激しい批判も、新しい政治への期待も、さらにはテレビ局などマスコミに対する非難もあるのです。しかし、それらはいっさい報道されません。》
テレビ局によるおそるべき情報操作が、毎日毎日行われ、日本の若者に関する不正確な情報が流され、日本の若者のイメージが傷つけられているのである。
テレビ局よ、情報操作だけはやめなさい。真実を報道しなさい。
本書の構成は次のとおり――「第１章 政治って、何だろう？」「第２章 民主主義について」「第３章 現代社会に翻弄され侵食される若者」「第４章 世界の若者は何をしているか」「第５章 求められる日本の若者の政治参加」「第６章 どのように政治参加するか」
「日本の若者よ、日本はいま危機だ。自分の未来を切り開くために起ち上がってくれ」――との著者の魂の叫びを感じながら読んだ。首藤氏が偉大な魂をもった政治家であることを改めて痛感させられた。首藤氏が復活し、衆院予算委員会で首相を立ち往生させる日が１日も早く来ることを、私は祈る。
最近私は、高校生に講演する機会を求めている。もちろんボランティアとしての講演である。いまや日本のマスコミは堕落し、権力の手先と化し、毎日毎日情報操作を繰り返している。もはやマスコミは真実を伝達するジャーナリズムではない。私は、私が知っている真実を、若い高校生諸君に直接語りたいのである。
首藤さんの著書を読み、首藤さんという力強い同志がいることを知った。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C02922.HTML
森田実の時代を斬る：
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/TEST03.HTML
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