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死刑執行ない公算 杉浦法相が消極姿勢
昨年10月の就任時に死刑執行の命令書に署名しないと発言、撤回した杉浦正健法相が26日の内閣総辞職を前にした現在も、在任中の執行に消極的な姿勢を示していることが22日、関係者の話で分かった。
法務省事務当局はさらに法相と協議を進めるとみられるが、死刑執行がない公算が大きくなった。1993年に当時の後藤田正晴法相が執行を再開して以降、法相の判断で執行しなかった例はなく、死刑廃止論も含めた議論が活発化することも予想される。
関係者によると、法務省事務当局は最近、具体的な死刑確定事件の執行を念頭に、杉浦法相と複数回にわたって協議。法相は執行命令書への署名に消極的な姿勢を維持しているという。
杉浦法相は昨年10月31日深夜、初閣議後の記者会見で死刑執行について問われて「私はサインしない」と明言し「心の問題、哲学の問題」と理由を説明。
法相は浄土真宗大谷派の門徒で、発言の背景に自らの宗教観があることも明かし「長いスパンをとれば廃止の方向に向かうのではないか」と言及したが、11月1日未明になって撤回した。その後は、会見で「適切に判断する」としていた。
死刑執行は、後藤田氏が再開するまで3年余り途絶えていた。その後、法務省は執行のない法相を出さない方針を取っているとされ、再開以降は在任期間が5カ月以下と短く、判断を求められなかった4人を除き、歴代14人の法相が執行を続けてきた。執行数は計47人に上る。
今年8月末時点の死刑確定者は88人。9月15日には、オウム真理教松本智津夫死刑囚の刑が確定した。
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