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2006.9.21(その2)
森田実の言わねばならぬ[367]
安倍氏の自民党総裁選当選と政局展望――極右路線の安倍政権に未来なし。自民党時代の終焉が近づきつつある。
「水は舟を載せ、亦、舟を覆す」(荀子)
[水は国民、舟は政府。舟(政権)を載せるのも覆すのも水(国民)である]
安倍晋三氏が9月20日の自民党総裁選で、前評判どおり、約3分の2の票を得て当選した。
投票の直前、学生時代の友人から電話がかかってきた。ずっと自民党を支持してきた人である。こう言った。
「もう自民党はダメだね。支持するのをやめることにした。自民党の政治家の大多数が寄らば大樹の陰で安倍になびいていく姿は醜悪で見ていられない。自民党は信念も見識もない政治家の集まりになってしまったのではないか。こうなったら小沢一郎の民主党に頑張ってもらうしかない。ぼくは、次の選挙から民主党に投票することに決めた」。
最近、自民党を支持してきた昔の知人からこのような電話がよくかかる。手紙ももらう。自民党の基盤が崩れつつあることを痛感する。マスコミがいくら笛を吹いても、踊らない人々が少しずつでも増えているのだ。
谷垣氏の得票(批判票)の意味
自民党はもはや、かつての分権的で民主的な政党ではない。小泉時代の5年5カ月の間に独裁的・強権的な政党に変質してしまった。
今回の自民党総裁選は、小泉独裁下で小泉首相の手のひらで踊らされた劇場政治の延長にすぎなかった。安倍氏は小泉首相の後継者である。麻生氏は小泉・安倍ラインの別働隊である。麻生氏の役割は、論戦において安倍氏を、谷垣氏から守ることにあった。
真の批判票は谷垣氏が得た票である。国会議員票66票は全体の16%。一般党員票は12%(全体で14.5%)。小泉・安倍政治への批判者は自民党国会議員では全議員のわずか16%、一般党員レベルでは12%にすぎないということになる。麻生票の中に批判票と見られるものもあるが、全体として小泉・安倍ライン支持票と見てよいと思う。
批判票が国会議員レベルで16%、一般党員レベルで12%というのは、自民党はもはや党内でのチェック&バランスが作用しなくなった政党だということである。右に振れすぎた党を左ないし中心に戻す復元力がないということである。
安倍政治の危険性
安倍氏がもっている歴史観や国際政治観は「極右」であり、偏狭な反中国ナショナリズムである。国内政策は弱肉強食主義の小泉構造改革路線の継承である。
とくに1994年の「村山談話」に対する曖昧な態度は、世界各国に無用の警戒心を抱かせている。安倍政権は戦争をおそれない危険な政権である。
安倍氏の極右への暴走を止める力は自民党内には、もうない。16%の批判勢力では止めることは不可能であろう。
もはや政権交代以外に「極右」は止められない
安倍政権の暴走を止めるには、国民が選挙で民主党を支持して、政権を交代させる以外に道はない。政権交代は衆議院総選挙でなされることだが、総選挙がいつ実施されるかは不明であり、当面のヤマ場は2007年夏の参議院議員選挙である。
2007年夏の参院選には安倍政権の信任投票の意味がある。安倍政権が負ければ安倍首相は退陣せざるを得なくなる。
安倍極右政権の暴走を止め、敗退させる力をもつのは、小沢一郎氏率いる民主党だけである。安倍極右政権の暴走を食い止めるためには、民主党を中心にして全野党が結束する必要がある。
2007年夏の参院選の前哨戦は、早くも、来る10月22日の2つの衆院補選(神奈川16区、大阪9区)から始まる。
11月19日には政権の命運を左右するような沖縄県知事選が行われる。野党側が勝てば、安倍政権の立場は苦しくなる。
2007年2月からは大型の地方選が始まる。地方選のヤマは4月の都道府県知事と議員の統一地方選だ。この地方選で民主党が躍進する可能性は高い。さらに4月末には国会議員の補選がある。
これらすべてが、07年夏の参院選の前哨戦的意味をもっている。
時代の大きな流れは、自民・公明連合から小沢民主党を中心とする野党連合(共産党を除く)に傾きつつあるのではないか、と私は感じている。
ただし、注意すべきことがある。マスコミ界内部からの通報によると、一部のマスコミは野党議員とくに民主党議員の周辺を嗅ぎ回っており、選挙間際での反民主党キャンペーンを準備している、とのことである。マスコミはますます悪辣化しているようだ。注意しなければならない。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C02918.HTML
森田実の時代を斬る:
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/TEST03.HTML
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