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http://tizu.cocolog-nifty.com/heiwa/2006/09/223_918_436c.html から転載。
第223号 9・18を忘れるな
日々通信 いまを生きる 第223号 2006年9月20日
発行者 伊豆利彦
ホームページ http://homepage2.nifty.com/tizu/
9・18を忘れるな
9月18日は「9・18事変(柳条湖事件)」の75周年記念日だ。
「人民網日本語版」2006年9月18日 は<瀋陽市柳条湖近くの「九一八歴史博物館」には、開館から7年で日本人約8万人を含む計700万人以上が来館した。>と伝えている。
http://j.peopledaily.com.cn/2006/09/18/jp20060918_63128.html
同記事は来館帳には記された「わたしは歴史教師として、より多くの中国の青少年にこの歴史を理解させ、記憶させ、日本軍国主義の復活を警戒させることを強く提案する」中学教師の言葉を紹介している。また、日本人グループが7月7日に来館して「祈中日友好」と<厳かに大書している>とも伝えている。
9月18日が何の日か。ほとんどの日本人はその日のことを忘れているだろう。しかし中国では<9・18を忘れるな>というの合言葉はいまも生きている。そして今年は、いっそう強くこの言葉が思い起こされているようだ。
朝日コム2006年09月19日01時18分は、次のように伝えている。
http://www.asahi.com/special/050410/TKY200609180258.html
>満州事変のきっかけとなった柳条湖事件の発生から75周年を迎えた18日夜、中国遼寧省瀋陽市の事件現場近くで記念式典が開かれた。式典周辺に集まった市民は1万人以上。警備当局は1000人規模の厳戒態勢を敷いたが、式典後、興奮した市民ら数百人が警察官らともみ合いになり、「日本製品を買うな」「打倒小日本」などと叫びながら、「日の丸」を焼いた。当局が解散を呼びかけ、約1時間後に収束した。負傷者は確認されていない。数人が連行された模様だ。>
同市幹部が「国辱を忘れるな」などと演説し、市内では一斉に警報が鳴り響き、タクシーなどもクラクションを鳴らした。市民らは近くの路上で「日本軍国主義を打倒せよ」などと書かれた「日の丸」を掲げ、反日的なスローガンを繰り返したという。
<中国当局は式典会場に入る市民の数を制限するなどし、暴力的な行動を抑制しようとの姿勢だったが、一部の市民が過激な行動に走った形だ。>とも伝えているが、
「時事通信」9月19日は次のように伝えている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060918-00000057-jij-int
>瀋陽市など全国100都市以上でサイレンが鳴らされ、主催者側は「国の恥を忘れず、中華を復興させよう」などと強調した。
>遼寧省の14都市では「9・18」にちなんで同日午後9時18分(日本時間同10時18分)、同時にサイレンを鳴らす行事を初めて実施。吉林省長春市では23分間、防空警報が鳴り響いた。
>また中国紙は、極東軍事裁判を描いた中国映画「東京裁判」がこの日全国一律10元(約148円)の特別料金で上映されると伝えた。
>このほか中国中央テレビによれば、山東省の中学校で日本の軍国主義による対中侵略を回想する行事があり、湖南省でも抗日戦争映画を学校に無料配布した。
このような動きの背景には、小泉首相が自己の心情、信念に忠実に、度重なる中国側の申し入れを無視して靖国参拝をつづけ、今年は全国から右翼が集まって気勢を上げる8・15にそれをを強行した事実、この小泉氏の直接の後継者で、さらに右翼的な信念の持主安倍晋三氏が時期自民党総裁になり、首相になろうとしており、これを国民が支持しているように見えることがある。
日本はかつての戦争を肯定し、ふたたび軍国主義化の道を歩こうとするのではないかという恐れが中国人の心には根深く生きている。安倍氏も国民一般もそんな馬鹿なことはない、それは中国人の妄想だと一蹴し、ますます嫌中国意識を強める。それは多くの日本人の主観的心情であると思う。しかし、平和憲法を否定し、教育基本法を改定して愛国心を強調する方向を志向する動きが強まっていることは事実であり、それを自己の信条とする安倍晋三氏が首相になろうとしていることも動かすことのできない事実だ。
「読売新聞」 9月19日は米紙ワシントン・ポストが1面に安倍晋三氏を「平然とナショナリストを標榜(ひょうぼう)する人物」と論評する記事を掲載したと伝えている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060919-00000211-yom-pol
日本人は自己の心情や信念に酔って、自分が何をしようとしているか、他国にとってどのような存在であるか、どのように思われているかに無自覚であるように思われる。
かつての日本も主観的には東洋永遠の平和のために、アジア諸国民の共存共栄とその発展を願っていたのであった。しかし、客観的には日本はアジア諸国民に対して何をしたのか。アジア諸国民は日本をどのように見ていたのか。しかし、いま、かつての日本の主観的心情・信念、その善意を強調して、あの戦争を美化する動きが強まっている。その象徴が安倍晋三氏の自民党総裁就任であり、次期内閣総理大臣になることだ。
他国の思惑を気にしないのは立派なことのようだが、やはり、傲慢さの現れである。中国がどう言おうとかまわない。結局、日本の靖国参拝を認めることになる。いや、認めさせてやる。それが愛国的な小泉氏の本当の気持だったのだろう。中国はそれを<国辱>と思っているのではないか。
この小泉氏の態度は国連安保理事会の反対にもかかわらず、一国主義をつらぬいたアメリカと似ている。そこにアメリカの奢りがあり、アメリカに従属し、アメリカを手本として、世界第2の経済大国になった日本の奢りがある。
いま、アメリカは軍事的にも、経済的にも、軍事的にも、その行き詰まりが次第にあらわになってきている。一国超大国主義の終焉が次第に強く感じられるこの頃だ。アメリカはどうなるか。そして、日本はどうなるか。
秋風が吹き、秋雨にもの思うこと多いこの頃だ。
秋になると石川啄木の「九月の不平」を思い出す。
多分、「時代閉塞の現状」を書き上げて、その『朝日新聞』掲載が拒まれたのがこの頃だったのだと気がついた。
啄木の「林中書」についても「時代閉塞の現状」についても、思うことが多い。
来月は、日文協近代部会で二葉亭、啄木、漱石の関係、そしてその広津和郎とのつながりについて報告する予定で、明治文学と現代についていろいろ考えさせられている。
皆さんはこの頃の秋風愁雨に何を思ってお過ごしだろうか。
人はそれぞれに秋の日を過ごす。
天候不順なこの頃、体に気をつけてお過ごし下さい。
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