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崩れた戦争の大義 米国支持の検証必要だ
'06/9/12
イラク戦争の「大義」が米議会などの調査で次々と否定されている。開戦当時いち早く米国支持を打ち出した日本政府も独自の検証が必要だ。
米英軍がイラク攻撃に踏み切ったのは二〇〇三年三月。ブッシュ米大統領は開戦理由として(1)大量破壊兵器の保有(2)旧フセイン政権と国際テロ組織アルカイダとの結び付き―の二つを掲げた。
これを真っ向から否定したのが「9・11」を前に先週、米上院情報特別委員会が公表した報告書。フセイン元大統領はアルカイダに不信感を抱いていたなどと具体的な根拠を列挙し、「関係を裏付ける証拠はない」と結論づけた。大量破壊兵器の保有も打ち消した。
米国で大義が否定されたのは、これが初めてではない。〇四年に米中央情報局(CIA)主導の調査団は「大量破壊兵器は存在しなかった」との報告書を議会に提出。米独立調査委員会もアルカイダとの協力関係に疑念を示すなど、戦争を今も正当化し続けるブッシュ大統領への批判が相次いでいる。
もともと国際社会から「大義に欠ける」と批判された戦争だ。大量破壊兵器の物証もアルカイダとの関連の立証もできないまま、米国と英国が仕掛けた。
大義が焦点になる中、小泉純一郎首相をはじめ、日本の政治家の発言がほとんど聞こえてこないのはおかしい。
ポスト小泉を争う安倍晋三官房長官、谷垣禎一財務相、麻生太郎外相の三人は公開討論会でイラク戦争に言及こそしたが、情報特別委報告書への直接の評価は避けた印象を否めない。自民党の武部勤幹事長はテレビ番組で「われわれも検証しなければいけない」と語ったが、積極的には聞こえなかった。
開戦時、小泉首相はブッシュ大統領が攻撃開始を発表した直後に米国支持を表明した。大義が揺らいだ二年前、首相は「イラクが国連決議に従えば戦争は起こっていなかった」とイラク側に責任があると繰り返すばかりだった。
英国ではブレア首相が戦争の責任を問われて支持率が低下し、ついに退陣を表明した。
フセイン政権崩壊後、日本は復興支援名目で自衛隊を派遣した。陸上自衛隊は撤収したが、航空自衛隊は今も輸送を続けている。戦火が絶えない中、いつまで米国に付き合うのか、というのが国民の実感ではないか。航空自衛隊の撤収時期を含めて、政府はきちんと説明する責務がある。
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200609120233.html
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