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これから本当の戦いだ 小沢民主党―「東京新聞」社説
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投稿者 天木ファン 日時 2006 年 9 月 13 日 11:58:15: 2nLReFHhGZ7P6
 

これから本当の戦いだ 小沢民主党

 小沢一郎氏が民主党代表に無投票で再選された。基本政策の柱に「格差是正」を掲げて「安倍政権」との対決姿勢を鮮明にした。真剣勝負を早く見たい。これから本当の戦いだ。

 小沢氏は公表した「基本理念」の中で、小泉政治を「極端で偏向した『煽動(せんどう)政治』が台頭した」と酷評した。理念というには異例の表現だ。小泉政治の継承者で、次期首相が確実視されている安倍晋三氏への宣戦布告といえる。

 基本理念で格差是正を最重要課題と位置付けた。具体的な政策には「子ども手当」「親手当」の創設や非正規社員と正規社員の賃金差別の撤廃、農家の生産費と市場価格の差額を補償する制度などが並ぶ。いずれも対象は小泉改革の「影」の影響を受けた層を意識したものだ。

 年金改革も安倍氏の厚生・共済年金一元化より踏み込み、すべての年金制度の一元化を提唱した。

 安全保障政策では、持論の「国連待機部隊」構想に触れないなど、自民党より幅広い意見を抱えるお家事情から歯切れは悪いが、「自衛権の行使は専守防衛に限定する」と明記した。安倍氏が政府見解を変えることで、集団的自衛権の行使に道を開こうとする姿勢と一線を画した。

 実現性への疑問や詰めを要するあいまいさは残る。ただ、国民の選択肢を広げるためにも、野党が政権与党と違う政策を示すことは大切だ。それだけでなく、野党には政府・与党の「誤り」をただし、暴走に歯止めをかける責任がある。

 小泉政権の「負の遺産」にはアジア外交の行き詰まりもある。自民党総裁選で安倍氏は立て直しへの道筋を示さない。消費税率引き上げや歴史認識問題の議論も深まらない。小沢氏も“参戦”し、積極的に口を出してはどうか。国民にとって議論が分かりやすくなる。

 小沢氏は来年の参院選を最大の目標にする。与野党逆転を実現し、衆院解散・総選挙に持ち込んで政権奪取するシナリオを描く。新政権発足後、最初の力くらべとなる十月の衆院補選と十一月の沖縄県知事選が試金石となる。

 小沢氏は安倍氏をくみしやすいと思ってか「臨時国会では毎週、党首討論をやりたい」と話しているという。直接対決は多い方がいい。実現してほしい。

 小沢氏は基本政策をもとに党内議論を進め、年内をめどに意見集約したい考えだ。安保問題で摩擦が起こるのは当然だろう。かつてのように異論を唱える身内を切り捨てず、「ニュー小沢」としての度量を見せてほしい。

「東京新聞」9/13社説
http://www.tokyo-np.co.jp/sha/

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