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2006.9.3(その1)
森田実の言わねばならぬ[315]
質問に答えます――私が小沢民主党政権を期待する理由(その7)
小沢一郎氏は、情熱、社会的責任、洞察力、忍耐力のすべての資質においてわが国の第一級の政治家であり、小泉首相によって傷つけられた日本を再建するのに最もふさわしい政治指導者である
「人を用い候にはその長所をとりて短所に目を付け申さず候事聖人の道にて御座候」(荻生徂徠)
[人を用いるときは、その長所を生かし、短所は気にとめないのが、聖人の説く道である――という意味]
去る6月27日、小沢氏にインタビューした。9月初めに三笠書房から出版される『小沢一郎入門――カリスマの原点』に収載するためだった。この20年間に小沢氏とは何回かインタビューした。今回はほぼ10年ぶり、久しぶりだった。前回会ったのは4月4日、鳩山会館の花見の時だった。どちらも小沢氏の印象は悟りを開いた高僧のようであった。
以下、インタビューの要点を記す。
《(1)〈日本国民、とくに若い人たちに訴えたいことは?〉
大多数の国民は現状に対する不満、将来に対する不安を抱えている。だが、このような不満、不安に満ちた社会を変えるために国民自らが一歩を踏み出して行動しているかといえば、まだその決断には至っていない。躊躇している。国民は怒っているが行動に出られない――そのようなもやもやした心理状態にある。
だが、政権交代によって社会は変えられる。民主主義は国民の手で政権交代できるシステムだ。この民主主義が、日本にまだ定着していない。日本人は変革を好まないところがあり、政権交代に臆病になっている。
主権は国民にある。主権の最大の行使の場が選挙である。自民党政権が半世紀以上もつづいてしまった。このままでは日本は良くならない。国民はいま行動に起ち上がるときだ。次の総選挙では政権交代を実現したい。
(2)〈いま最も心配していることは?〉
現在の日本で私が一番心配していることは、日本人の心、精神の荒廃である。どんどん悪化している。熱病のような小泉人気や台頭してきた偏狭なナショナリズムはその現れだ。精神の荒廃は、エリート、政府の中枢まで及んでいる。マスコミはこれを徹底的に叩こうとしない。いまの日本社会が抱えている大きな病だ。
(3)国民は、そろそろ思い切って行動を起こすべきときである。「自分のことだ、他人事ではないのだ」とよく考えてほしい。
(4)冷戦終結という世界の歴史的転換のなかで、各国の利害がぶつかり合う時代になった。この時代に日本は日本の行き方を自分自身で決めなければならない。このなかで旧来の官僚政治の弊害が表面化してきた。そこに小泉氏という奇妙な政治家が出てきた。初めは国民は期待したが、完全に裏切られた。小泉氏は旧体制の官僚主義を否定せず、「自由勝手に好きなようにやれ」という「好き勝手政治」をやった。
(5)政治は「自由」と「平等」をどうやって両立させていくかという難題に真正面から取り組まなければならない。
(6)合意を旨とする日本のコンセンサス社会が考え出した「日本的な平等システム」、「セーフティネット」を再評価すべきだ。「終身雇用」と「年功序列」は、日本のコンセンサス社会が生み出した知恵である。これらをもう少し洗練されたものに直していきたい。
(7)現在のような歴史的変化の時代には、誰かが責任をもち、間違いのない方向を指し示す必要がある。日本に真のリーダーがいない――これが一番の問題だ。
(8)〈民主党員に望むことは?〉
民主党に必要なのは基本政策の確立だ。民主党は何のために存在しているのか、国民が民主党に何を期待しているのかを、よく考えなければならない。
選挙での「旋風」の風頼みはダメだ。選挙運動はつらいもの。努力しなければならない。ぼくたちは小泉自公連立政権と戦っている。民主党は戦わなければならない。》
以上が、小沢民主党代表が私に語ったことの要点である。
小沢一郎氏は、いい顔になった。対応はすっきりしていた。落ち着いてゆったりしていた。多くの苦難を乗り越えた政治家としての風格と品格を感じた。
日本国民にとって、小沢一郎氏は大変に大切な政治家である。
日本の政治の流れは、「小泉・安倍」から「小沢」へ、大きく変わり始めている。
当面の最大の勝負は、2007年夏の参議院議員選挙だ。もしかすると、衆参同日選挙になるかもしれない。この選挙で小沢民主党が勝ち、政権交代が実現すれば「小沢の時代」が到来する。
私は、全国民にお願いする。
「小泉政治を終わらせよう! 自公連立政治を終わらせよう。そして小沢民主党内閣を樹立しよう!」と。 以上が、私が小沢民主党政権を期待する理由である。【終】
[この9月、森田実著『小沢一郎入門――カリスマの原点』(三笠書房)が出版されます]
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C02866.HTML
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